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10月24日 18時0分
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再び急落した米国株vs年初来高値を更新した香港株 - 村上尚己「エコノミックレポート」

昨日(10月23日)、米国株は先週末同様に主要企業の決算や業績見通し引き下げが嫌気され大幅安となり、S&P500指数は9月初旬以来の水準まで下落した。9月に、ECBとFRBによる金融緩和策を好感して大幅高を演じる直前と、ほぼ同じ水準まで戻ったことになる(グラフ参照)。


10月22日レポートでも述べたが、夏場までの世界的な景気減速が、企業決算や業績予想引き下げをもたらしていることが、米国株式市場の悪材料となっている。問題は、景気減速が長期化するかどうかである。ここ数日、夏場までの景気減速が長引くことを示す経済指標は発表されておらず、そのリスクは限定的である。

米国株がFRBによるQE3の以前の水準まで調整しているため、「金融緩和の効果は出尽くした」などの見方が再びメディアでも増えそうである。ただ、FRB、ECBによる金融緩和の経済安定効果はこれから出てくるし、そしてその効果は国内だけに止まらない。

例えば、10月23日日経新聞で「緩和マネー、再び新興国へ」との記事が掲載された。海外から新興国への資金流入が増え、株式市場が上昇、今週になって香港ハンセン指数が年初来高値を更新した(グラフ参照)。香港は、資本規制がほぼ皆無で、かつ通貨が米ドルと連動しているため、特に米欧の金融緩和による投資マネーの動きがダイレクトにあらわれる。


日経記事では、「だぶついたマネー」「投資マネーの過剰な流入」など、このリスク面がネガティブに解説されている。ただ記事にもあるとおり、海外からの資金流入が新興国の株価や不動産価格の押し上げにつながっており、金融緩和による市場心理の変化が、新興国の経済復調を支えるプラスの面もあるわけだ。

先週末と昨日の米国株の急落は、新興国を中心とした世界の景気減速が長期化するとの懸念がもたらしている。ただ、香港ハンセン指数の大幅高は、QE3などの金融緩和の波及効果に加えて、新興国の中でも最も警戒されている中国を含めてアジア経済の減速が一服しつつあることを反映している面もあるだろう。

中国経済の減速に歯止めがかかりつつあるのは、中国による経済安定化策の効果があらわれ始めたことが主たる要因である(9月21日10月10日15日レポート参照)。これまでレポートで紹介していなかったデータを紹介すると、中国の月次の新規銀行貸出は、季節変動により単月の数字は大きく動くが、2012年9月まで総じて前年よりも増えている(グラフ参照)。政治的な混乱が続いているため、中国のインフラ投資は動かないとの見方もあるが、その原資の一部である銀行による銀行融資は増えているわけだ。


そして、米FRBによるQE3など各国の金融緩和策で市場のリスク回避姿勢が後退し、そのマネーがアジア諸国の景気底上げをもたらし、間接的に中国経済の減速を和らげつつある。本日発表された10月分の中国製造業の景況感指数(HSBC調査)は引き続き50を下回っているが、前月(9月)から改善しており、中国の景気減速が深刻化していないことを示している(グラフ参照)。


「QE3の効果は僅か」、「マネーがだぶつくだけ」など金融緩和のネガティブな面が伝えられる報道は依然多い。金融緩和の効果で世界経済が安定するシナリオに対する疑念が根強いためだろう。この疑念が、一足はやく上昇した米国株市場を抑制しているが、そうした見方は今後薄れていくことを、香港株の上昇が示しているのではないか。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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