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10月26日 18時0分
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円安ではなく円高修正〜妥当なドル円の水準〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

10月23日レポート「80円台に達したドル円〜円安の本当の理由〜」に対して、「そもそも80円台で円安と呼んでも良いのだろうか?妥当なドル円は100円くらいではないか」とのフィードバックを頂戴した。

これまで約半年間、70円台で推移したドル円が、80円台に動いたことを円安と表現したわけだが、70円台の円高がかなり行き過ぎていたとすれば、確かに「円安」よりも「円高修正」がより正確な表現といえるだろう。

それでは、妥当なドル円の水準をどう考えればよいのか?8月24日レポートでも指摘したが、IMF(国際通貨基金)が、円が過大評価されているとの分析を発表している。具体的には、中期的な経済状況などから、10%程度過大評価されている可能性があるとのことである。これが正しければ、ドル円なら90円前後が妥当な水準となる。仮に、2012年3月に進んだ80円台半ば程度まで円安が進んでも、依然「円高の領域」である。

一方、4月10日レポートで紹介したが「実質実効円レートでみると、現状は歴史的な平均値に近く、今(ドル円80円前後)は円高と言えない」との考え方がある(グラフ参照)。このように、妥当な為替水準がどの程度かは様々な見方がある。


ただ先述のレポートで、筆者はこの「現在は円高とは言えない」との見方を批判的に論じた。「過去の平均だから、円が妥当な水準である」というのはあまりに短絡である。というのも、為替レートの水準が、経済全体にどのように影響しているかの観点が欠けている。

リーマンショック後に日本経済のデフレと低成長が続き、名目GDPが唯一落ち込んだままである(グラフ参照、9月28日レポート)。金融システムが相対的に安定している日本経済だけが、こうした状況に陥っているのは、円高(通貨高)が行き過ぎ、それがデフレ圧力を強めるメカニズムが働いたことが大きい。この結果が、危機の震源地である米欧株が戻っているのに、日本株だけがリーマンショック後の安値圏で停滞するという、株式市場の格差として現れている。


こうした状況まで勘案すれば、IMFが試算で示した10%程度よりも円は過大評価されている可能性もあるだろう。そして、「行き過ぎた円高」は自国で解決するしかない。10月12日レポートで述べたが、円高そしてその底流にあるデフレの長期化は、政策の不作為という国内問題だからである。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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