ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
スマート・ウーマン スマート・リーダー

「どん底のシステム会社を個性輝く存在へ」(日本ネットシステム、双葉教育・市川博子)(後編)――元MS日本法人会長古川享が聞き出す 今を駆けるスマート・ウーマンの本音

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第5回】 2012年11月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
3
nextpage

作ってみて、使ってみて、フィードバックを聞いて改善する

古川 幼稚園や保育園向けのクラウドを日本で初めて提供するサービスも、その延長線上にあるのですか。

Photo by Sam Furukawa

市川 同じものを幼稚園向けにも作ったところ、その話がメディアで紹介されたのを見て連絡してくれる人もいました。幼稚園で預かり保育をするところが増えています。預かり保育は希望者を募って時間単位で料金をとって行うので、今までのように年間前期で○○円、後期で○○円という料金体系からいくと、とても細かく、普通の幼稚園だと管理しきれない状況です。予約システムを導入したいという問合せも来るようになり、いろいろやらせていただくようになりました。

 幼稚園はもともと費用は振り込みが基本でしたが、やはりこまごまとした振り込みは面倒ということで、クレジットカード決済の仕組みもつくりました。

 一時保育をしている「ふたばクラブ」では、1時間いくら、お弁当ありなし、講座受ける、受けない、何時にお迎え、などいろいろな情報があり、管理がとても面倒でした。そこで、ネットで24時間予約できて、キャンセルもできるようにしました。また、予約時にクレジット決済することで、未入金の保育料を何度も請求するといった手間がなくなり、とても重宝しています。

古川 今の世の中のトレンドの新しいプロダクトの開発手法ですね。最小で有効なプロトタイプ、MVP(minimum viable product)を作り、使ってみて、お客さまの言葉、フィードバックを聞いて改善する。最初と違っていても、結果的にそれがお客さまの要望に合致し、応えているのなら、改善/改変/開発方針変更を迅速に受け入れられるというスタイル。いわゆる「アジャイル開発手法」ですね。既に実践しているのがすごいですね。女の勘でしょうか。

市川 もともと保育現場で明確なニーズはあったのですが、細かい点に関しては手探りで進んでいったというのが率直な感想です。導入してから、会員保護者の御希望があり、改訂した点もあります。

 社内開発にせよ受託開発にせよ、当社では社員教育を重視するようになりました。最初のころは、新しい取引先にいくのに、面接で切られるのが一目瞭然の社員も正直いて、書類の書き方から教えました。全部添削して書き直すという作業です。小学校受験の幼児教室で保護者向けの願書添削をしていたので、それとまったく同じでした(笑)。「これではきらりと光りません」「お父さんこれではだめですよ」と言ったりしていて、それと変わらないのです。

 まずは書類を全員見て、その後面接の練習をして、ダメだしをして、誇れるところはしっかりと誇りなさいと言いました。改善されるまで、何度も練習をしました。

previous page
3
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

スマート・ウーマン スマート・リーダー

日本経済の屋台骨を支えてきた製造業が苦しむ中で、さまざまな技術革新が生まれ、グローバル競争の新たな舞台となっているIT業界。いまやあらゆるビジネスがITを抜きにしては、競争力が立ちいかないのが現状だ。男性のイメージが強いIT業界で、実は多くの女性たちが活躍している。IT業界やそれに関わる仕事をして活躍している女性たちに焦点を当てながら、新しい競争の時代のリーダー像を紹介していく。
 

「スマート・ウーマン スマート・リーダー」

⇒バックナンバー一覧