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「どん底のシステム会社を個性輝く存在へ」(日本ネットシステム、双葉教育・市川博子)(後編)――元MS日本法人会長古川享が聞き出す 今を駆けるスマート・ウーマンの本音

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第5回】 2012年11月8日
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市川 働くお母さんの立場に立って考えれば、子どもの受験対策も、育児支援の一貫であると、私達はとらえています。なぜなら、働くお母さんの多くが、受験を経験し、自分のお子さんにも自分と同じかそれ以上の教育機会を与えたいと願っているからです。そして、それがかなわないかもしれないという場合には、仕事を諦めてしまうお母さんもとても多いからです。

 一方で、保育園のふたばクラブでは、小学6年生までの学童保育もやっているため、今後は中学校受験の補習勉強に、より力を入れていきたいと思っています。

古川 市川さんの最終的な人生のゴールは何ですか。会社経営は面白いでしょうか。今の会社をさらに広げたいですか。

市川 日本ネットシステムは、基本的に終身雇用で人をじっくり育てる会社にしたいと考えています。全員新卒で採用しています。中途で優秀な人を採用して、いらなくなったら出て行ってもらうというのではなく、きちんと愛社精神を育てながら教育して、定年までSEとして働ける会社にしていきたいです。そのためにも社内開発にはさらに力を入れていきたいと思っています。

 幼稚園や保育園向けの教育システムに力を入れているのは、実際に双葉教育で保育園を運営し、プロトタイプを使える環境にあるからです。また、保育園や幼稚園は、今はインフラが整備されていませんが、将来的には必ずネットワーク環境も整えられると思っています。学校施設の中で、大学、高校、中学、小学校、幼稚園を見ると、学校数を比べたら、下に行けば行くほど莫大な数になり、マーケットが大きいです。ただ、一つひとつは規模が小さいので、大企業は入りにくい部分があり、弊社の規模の会社が入る余地はかなりあると思っています。今から種を蒔いていけたらと思っています。

 最終的には、日本ネットシステムと双葉教育とは、ホールディングカンパニーとし、双葉教育は、慶應義塾大学発ベンチャー企業ということで、今後は上場を目指していきたいと思っています。

経営者もSEも、女性は女性としてやればいい

古川 話は変わりますが、御社は女性のSE(システム・エンジニア)はいますか。

市川 今は1名だけです。なかなかいないですね。採りたくないというわけではなく、各大学の情報工学科を回っても、巡り合う機会がほとんどありません。今年採用しようと思っている内定者3名も全員男性です。

古川 女性のSEへの期待はありますか。

市川 実は「女性だから」という意識はあまりありません。やる気のある人間には、性別にかかわらず、どんどんチャンスを与えたいですし、チャレンジして欲しいです。

古川 昔からそうですよね。恩師のSFC時代の先生からもそういう扱いを受けていましたね。

市川 そうですね(笑)。少しは、女性として意識して欲しいですよね(笑)。ただ、女性と男性は体の構造も含めて基本的に違います。女性が得意なこと、男性が得意なことがあるので、女性が男性になってやる必要はなくて、女性は女性としてやればいいと思います。女性の経営者と男性の経営者の経営手法も異なり、それぞれ必死にやればいいと思います。社員も同じで、それぞれに強みを生かして、必死にやっていけばいいと思います。当社は、この規模のシステム会社としては、極めて珍しいと思いますが、保育園・学童保育クラブを併設していますし、子育てに理解のある女社長が経営していますので(笑)、女性にとっては、長く働きやすい会社だとは思います。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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