●火曜日(依頼された日)「すぐ着手して片づけてしまおう」

●金曜日「なんだか面倒くさい。本当に必要な資料なのか?」

●来週月曜日「やる気が起こらない。つくらなくてもいいような気がしてきた」

●来週水曜日(期限前日)「いまさら間に合わない。それに、これはつくらないほうがいい気がする」

  このように依頼されてから期限までの8日間(火曜日を含み土日を除く)、「思考ノイズ」が膨張する。
  仕事を放置したため問題が深刻化し、思考が歪められてしまうのだ。
  そして最終的には勝手に「やらない」という最低・最悪の決断をする。

  自分から、この状況を報告する人はまずいない。
  上司が聞くと、「バタバタしていたので時間をとれませんでした」などと言い訳をする。さらに、自分ができなかったことを正当化するために、「そもそもこれをやることに意味はあるんですか?」「実は最初から疑問を感じていたんです」などと言う場合もある。

  上司からしてみれば、腹立たしい気持ちになるだろう。
「それなら相談してくれればいいじゃないか」と言えば、「なんで私が聞いた時点でそんなことを言うんだ」と問いただしたくなる。
  しかし、「一貫性の法則」が働くため、あくまでも自分の言動は一貫して正当化したくなるものだ。すぐに「そうですね。私が間違ってました」などとは言えないものだ。

「課長が忙しそうにしていたので、相談できなかったんですよ」などと、ふてくされて言うから、よけいに問題を悪化させていく。
  当然のことながら、依頼者に対し何の相談もなく、勝手に「やらない」という決断をすることなどありえない。
  これでは、周囲とのラポール(信頼関係)など、絶対構築できない。

  人間は、誰しも完璧ではない。
  言い訳の一つくらい、たまにはしたいときもある。
  それは、このコラムを読んでいるあなたもそうだろうし、私もそうだ。

  しかし、言い訳が通じるのは、相手とのラポールが構築されているときだけだ。
  そうでないと、本当に言い訳したいときもできなくなり、とても残念な気持ちを抱きながら日々をすごさなくてはならなくなる。
  人間には「一貫性の法則」があり、過去、自分が「してきたこと/してこなかったこと」を一貫して正当化したくなるものだ。
  過去の正当化が言い訳を生み出し、その言い訳が組み合わさり、架空の物語までつくりあげてしまう。
  言い訳がモンスター化して「妄想」に変異していくので、言い訳の源泉である「思考ノイズ」をいかになくすか、これがポイントだ。