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“質”の良さが“愛着”を生む。日本の伝統的モノづくりが「使い捨て時代」を救う!?

――老舗ふとん店の「リサイクルタグ」に注目!(丹羽ふとん店)

見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]
【第5回】 2009年1月14日
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 年も明け、新たな一年の幕開けです。

 昨年は、サブプライムローン問題に端を発する100年に1度という金融危機により、大荒れの1年でした。どうか今年は、いい年になることを願うばかりです。

 さて、皆さんはお正月をゆっくり過ごすことが出来たでしょうか? 今年は、暦の関係で例年よりもお休みが長かった方も多かったと思います。でも、お正月はついつい食べ過ぎたり、寝過ぎたりで、結構太ったりもしますよね(私も毎年反省をするのですが・・・)。

 と、言うことで、今回は、寝正月を送られた方に、特に読んでいただきたいと思います。

「エコ製品と謳いづらい・・・」
ある老舗ふとん店の悩み

 最近は、ライフスタイルの変化から、畳の部屋が減り、普段自宅ではベッドで寝ているという方が多いのではないでしょうか? でも、お正月に実家に帰ると、長年使い込んだふとんが待っていて、久々に畳の上にふとんを敷いて寝た方も多かったと思います。かくいう私も、実家に帰り、しっかりふとんで寝ました。

 昨年、あるセミナーに参加した時、ふとん職人の方とお話をさせていただく機会がありました。環境をテーマにしたセミナーでしたので、話題は当然環境のことになりました。その方は、「ふとんは、素材の木綿が外国産なので、“環境配慮型製品”とは謳いづらいんです」と私に話してくれました。この話を聞いて私は違和感を覚えました。環境対応の有無を決めるのは、本当に素材だけなのでしょうか・・・?

 このふとん職人の方は、丹羽拓也さん(30)という、名古屋にある丹羽ふとん店(*1)の5代目の方です。この方の師匠であり父でもある丹羽正行さん(58)(つまり、丹羽ふとん店の4代目の方です)は、昭和61年の全国技能競技大会繊維部門において、ふとん業界では初めてとなる内閣総理大臣賞(最優秀賞)を受賞された方で、その匠の技術が口コミで広がり注文が殺到、今では注文からなんと2年待ちになっている程の人気だそうです。

 拓也さんは、今でこそ家業を継ぎ匠の技術の継承者になっていますが、初めは家業を継ぐ気など全くなく、大学卒業後に大手の電機機器メーカーに就職し、営業の仕事をしていました。でも、「実際に製品がどのように作られているのか」という現場感を感じることなく、「ただ製品を売ればよい(売れればよい)」という仕事の内容をどうしても受け入れることが出来ず、25歳の時に辞表を提出し、家業を継ぐことを決意しました。

 製品が作られる現場感にこだわりを持ったのは、手作りでひとつひとつ丹念にふとんをつくる父親の背中を見て育った影響なのでしょう。でも、家業を継ぐということは、「歴史を受け継ぐ」ということであり、不退転の覚悟が必要です。

 そこで、拓也さんは、家業を継ぐと決めた段階で「結婚」という、もう1つの大きな決断をしています。ふとん職人としての道を歩むことを決めた以上、覚悟を決めるために、同時に守るべきもの(家族)を持つことに決めた、ということです。物事を成さんとする為に「退路を断つ」という点では、前々回ご紹介した北海道グリーンファンドの鈴木さんと同じですね。この世界には、どうもこの手の方が多いのが特徴のようです(笑)。

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見山謙一郎 [立教大学AIIC特任准教授/フィールド・デザイン・ネットワークス代表]

1967年生まれ、埼玉県出身。90年立教大学法学部を卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行。05年立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了(MBA)。同年10月に三井住友銀行を退職し、Mr.Childrenの桜井和寿等が設立したNPOバンク(ap bank)に理事として参画。09年2月に株式会社フィールド・デザイン・ネットワークスを設立し、代表取締役に就任。企業や金融機関に対する戦略・企画コンサルティングを行う。専門は、循環型(環境)ビジネス、ソーシャルビジネス、BOPビジネス及びファイナンス。立教大学AIIC「立教グラミン・クリエイティブラボ」副所長。多摩大学経営情報学部非常勤講師。
☆ご意見・お問合わせはこちら  ☆Twitterアカウント:ken_miyama


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