ラオス 2012年11月2日

ラオス、世界遺産の町ルアンパバーン
高まる日本人観光客への期待

約8カ月のバックパッカー旅行後、2002年からラオスに住み、旅行会社を経てコーディネーターになった森記者が、ラオスで人気の観光地についてレポートします。

世界遺産に認定、世界中から観光客が集まる

 10月下旬、久しぶりにラオスの古都ルアンパバーンを訪ねた。この都市は、1995年にユネスコにより世界遺産に認定され、以来、山間の小さな街並に世界中から旅行者が訪れるようになった。

 ルアンパバーンの歴史は14世紀から始まる。ファーグム王により、現ラオスの領土に加え、北は中国雲南省、東はベトナムの一部、南はタイの東北部(イサーン地方)のほぼ全てを掌握してランサーン王国を建国した。その王国の首都がルアンパバーンに置かれた。建国1353年、日本では室町幕府の時代である。王制は、その後、社会主義現政権による1975年まで続いた。

 王都ルアンパバーンは、16世紀、ビルマの脅威からビエンチャンに遷都が行われた末にラオス国内が3つの小王国に分裂した後、小王国の王都として返り咲き、以後存続を続けた。

ルアンパバーンの街並。2011年の訪問者数は約27万人。これは全ラオス訪問者数の約1割を占める。その中で、ルアンパバーン空港に到着した日本人は5300人だった。(陸路で来るバックパッカーなどはこの数字に含まれていない)【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』】

 フランス領インドシナに編入されてからは、王宮も含めて町中にコロニアル建築が建てられるようになった。メコン川と支流のカン川に挟まれ半島のような土地の中心に小高い丘がそびえ、起伏の富んだ地形の中に椰子の木々が生い茂り、伝統的な高床式住居と白亜のコロニアル建築が混在する。

 このコンパウンド(混合体)の美しさをして、世界遺産として保護すべき都市とされた。その人気は特に欧米で高く、イギリスの旅行雑誌では3年連続、「今行くべき目的地」の1位に取り上げられている。

 山間に建てられた小さな空港には、現在、ラオス、ベトナム、タイの都市から4つの航空会社が就航している。日本からの定期便はないが、今年からチャーター便が何本か就航した。人気急上昇都市の割に国際線は意外と少ない。欧米から見れば極東に近い地域であり、東南アジアへはハブであるバンコクを経由すれば良い。日本を含めた東アジア地域からは、ベトナムの首都ハノイ経由が主流となりつつある。古都ルアンパバーンが国際的な世界遺産都市へと飛躍するために、現在、空港の拡張工事が行なわれている。貧困国からの脱却は国家政策の重要項目に挙げられ、観光業が担う役目は大きい。

 ラオスの歳入(2011年)のうち、観光業の位置づけを見てみる。1位は鉱物資源で12億3720万ドル、2位が観光業で4億610万ドル、ちなみに3位は発電(売電)で3億4100万ドルであった。

 ラオスへの訪問者数は、1990年に1万4400人であったのが、ルアンパバーン世界遺産登録の95年には前年比倍の34万人となり、2011年時点では、272万人を記録している。このうち日本人は約3万8000人(全体の1.39%)が年間ラオスを訪れている。最多訪問者数の国ランクでは、タイ、ベトナム、アメリカ、フランスに次いで5位だった。

コロニアル建築の風景【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』】
ルアンパバーンの観光の人気スポット「ナイトマーケット」。温厚な国民性からか、アジアで一番穏やかなバザールだと言われることも【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』】
中心部には大小30を超える寺院が建つ【撮影/『テイスト・オブ・ラオス』】

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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