日本初となる「Googleケータイ」が、いよいよ発売される。この携帯電話は、NTTドコモが発売するHTC製「HT-03A」で、5月の発表以来、ケータイファンの間で注目を集めている。日本では初となるGoogle製OS「Android」(アンドロイド)を搭載している。

 海外ではすでにAndroidが搭載された機種が発売されている。日本でもGoogleケータイが発売されるのを今か今かと待ちこがれていた人も多数いるはずだ。

いよいよ発売!ドコモ「Googleケータイ」はどこがスゴイ
HT-03Aの専用サイト。いろいろな質問がページいっぱいに広がる楽しいサイトだ。

 Androidは、Googleが提供するいろいろなサービスをケータイ向けにアレンジして提供する。たとえば、強力な検索機能。画面上のあらゆるところから自由自在にキーワード検索が行える。検索対象はケータイの中にあるデータに加え、インターネット上のデータに対応。電波が繋がるところならば、いつでもインターネットでキーワード検索ができる。また、GmailやGoogleカレンダーといった、パソコン版ではおなじみの便利なサービスが、手軽に使えるのも見逃せない。

 特に面白いのが、内蔵されている地磁気センサーを使ったサービスだ。地磁気センサーは、ケータイの傾きを感知する、いわゆる電子コンパス。地図サービス「Googleマップ」で検索した地点を実際の写真で見ることができる「ストリートビュー」では、ケータイを傾けるとその視点に合わせて写真の角度も変わる。実際に使ってみると、地図の中に入ってしまったかのような錯覚を受ける。

 この地磁気センサーとGPS機能を組み合わせることで、ケータイをかざした方向に見える星座を画面上に表示する「星座機能」や、国内外の名所までの距離と方角を表示する「ランドマーク機能」などを実装。Googleの機能とケータイの機動性が融合され、これまでにないユニークなサービスが実現した。

 本体の方は、タッチパネル式の小型なボディに、ケータイとしては珍しいトラックボールを搭載。タッチパネルのレスポンスは問題なく、ストレスなく文字入力も行える。また、トラックボールは使ってみるまでは不安だったが、実際使ってみると画面のスクロールや各機能の選択などが軽快に行えることに多少の驚きを覚えた。意外にもケータイとトラックボールは相性がよいようだ。

 もうひとつ注目したいのが、専用アプリケーションをダウンロードできる「Androidマーケット」だ。ゲームや各種実用アプリをダウンロードして追加することで、自分に合ったケータイにしていくことが可能となる。アプリは無料と有料のものがあるので、まずは無料のものから試していくといいだろう。

 全体的に小型なボディでハンドリングがよく、また、OS自体も軽快でストレスをあまり感じない。普段パソコンでGoogleの各種サービスを使っている人は、これ1台あればほぼ代用できてしまうのではないだろうかとさえ思えてしまう。発売後、どのようにユーザーに受け入れられるのかが楽しみだ。

(三浦一紀)