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岸博幸のクリエイティブ国富論

誰がヒーローなのか分からない
鳩山“玉石混交”内閣

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第56回】 2009年9月18日
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 遂に鳩山政権が発足しました。内閣の布陣も明らかになりましたので、今週は、この布陣をどう評価すべきか、今後に期待を持てるのかを考えてみたいと思います。

「ミスター年金」長妻氏の
厚労相就任は評価できる

 私は、新しい内閣の布陣を見ると、評価できる部分、できない部分、まだ分からない部分が混在していると思っています

 まず評価できる部分は、「脱官僚」の部分的な成功モデルを作れそうな人が数名、大臣ポストに就いたということです。菅直人国家戦略担当大臣と長妻昭厚労大臣がその筆頭ではないでしょうか。

 おそらく鳩山政権全体として本当の意味での脱官僚を実現することは実際には難しいと思います。先週も書いたように、脱官僚には、政策決定メカニズムをキャリア官僚から政治に移行するという“脱キャリア官僚”と、ガバナンスが効かない霞ヶ関に集積し過ぎた権限を、ガバナンスが効く地方や市場へ移すという“小さな政府”の二つの意義があるはずです。

 しかし、鳩山政権が後者を目指していないことは明らかですので、この点について期待してはいけないのでしょう。となると、前者がどの程度実現されるかが政権として重要となるはずです。

 そして、前者について、内閣全体として脱官僚が実現されると期待するべきではないと思います。例えば小泉内閣の頃を思い出しても、本当に改革を進めたのは竹中平蔵大臣をはじめ、ごく一部の閣僚メンバーだけでした。

 そうした前例からも、鳩山政権の中で局部的に脱官僚の成功例が作れれば、それは十分な成果になり得るのではないでしょうか。そう考えると、そうした可能性を持つ人が大臣ポストに就任したのは、期待できる要素であると率直に思います。後は、そうした人たちが「官僚依存の脱官僚」という表面だけ取り繕うような形にならないことを祈るだけです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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