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15%近い高金利でも増資に踏み切る“みずほの事情”

週刊ダイヤモンド編集部
2009年3月4日
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 「うちにも欧米の投資家がカネを出すと言ってきたが、びっくりしてお断りした。みずほはよくやるなぁと驚いた」

 ある銀行の幹部がこう明かすのは、みずほフィナンシャルグループが2月中旬に発表した増資についてだ。

 みずほは、約800億円の優先出資証券を米欧の機関投資家向けに発行、資本増強を図る計画を打ち出した。

 だが、この優先出資証券の配当率の高さが尋常でない。なんと年利14.95%。今、国内で調達した場合、以前より上がったとはいえ3~4%程度の水準だから、あまりの高水準に「目を疑った」と語る金融関係者は多い。

 急速な株安や、景気後退による不良債権の増加などで、自己資本は毀損。さらなる悪化はほぼ確実で、「バッファーとして調達できるうちに確保しておく」(みずほ幹部)という狙いもわからないわけではない。

 三菱UFJフィナンシャル・グループや野村ホールディングスなども、株式利益の希薄化が起き、株価の下落要因となるため“最後の手段”といわれる公募増資に踏み切っている。

 とはいえ、「普通、あの条件には食いつかない。そこまでしてでも調達する必要が、みずほにあったのではないか」と冒頭の幹部はいぶかる。

 確かに、みずほには事情があった。昨年、すでに国内の機関投資家向けに3550億円の優先出資証券を発行ずみで、これ以上、国内での調達は無理だった。

 しかも、今回調達した資金のすべてを傘下のみずほコーポレート銀行(CB)に充てることからもわかるとおり、CBが手がける証券業務が「さらなる損失を計上する可能性がきわめて高い」(みずほ幹部)こともあって、今年度中の資本増強が必須でもあったのだ。

 こうした事態に憤るのは個人投資家。というのも、みずほは通期での赤字転落も濃厚で、「減配もありうる」(同)。「優遇するのは海外の投資家だけか」。そんな恨み節が個人投資家から上がっている。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  田島靖久)

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