ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

「浮き足立つ」でNHK有働由美子アナが誤用
いいじゃないですか、審判だって誤審するのだし

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第9回】 2012年11月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 NHKの看板アナウンサー有働由美子さんの番組で、ちょっとしたハプニングが起きた。ハプニングと言うよりは、不手際と言ったほうがいいのかもしれない。

 ミスがあったのは、有働さんが司会を務める『あさイチ』という情報番組。

 午前八時一五分からの放送だが、かつては朝っぱらから“セックスレス”を特集したりして物議を醸した番組でもある。先月二三日の放送で、この番組は『浮き指』を特集した。浮き指というのは、窮屈な靴を無理に履くことで、足の人指し指や中指が靴底から浮いてしまう状態を言うらしい。健康によくないそうだ。

 この“浮き指”にちなんで、番組では、視聴者からの“浮き足だった体験談”を募集した。クライマックスシリーズで中日三連勝、中日ファンのわたしはまさに浮き足立っていました――、といった内容のファックスが寄せられるなど、番組はつつがなく進行した。

 そこに、視聴者から一通のファックスが送信された。
  その直後、番組内に流れていたBGMが突然消え、有働アナの訂正が入った。

 「訂正がございまして……、こんなご指摘をいただきました。浮き足立つ、の正しい意味は、怖れや不安を感じて逃げ腰になる、落ち着きが無くなる、という意味なんですよ……、わたしの“マイ辞書”にもそのように書いてあります」

 浮き足立つを、浮き浮きして落ち着かない、との意味で誤用してしまった、と有働さんは詫びを入れた。どうやら、浮き立つ、と混同していたようだ。

 番組には水道橋博士らも出演していたが、視聴者からの指摘があるまで、誰ひとり誤用には気づいていなかった。

 「わたしもアナウンサーとして、どうしようかとたいへんショック。たいへん失礼いたしました」

 有働さんの動揺はかなりのものだったらしく、次の進行を忘れてスタッフに訊いたり、フリップを逆さまに出してしまったり、さらには呼びかけるキャスターの名前を忘れ、カンペに歩み寄って確認したり……、とさんざんなものだったようだ。生放送だしね。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

「新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く」

⇒バックナンバー一覧