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インキュベーションの虚と実

明確な意図の下に集いゆるやかに連携する
コミュニティを進化させろ!
女性起業家グループ「SPARK!」

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第14回】 2012年11月12日
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 WLNには、それこそ世界的に名前の知られている人や日本の著名人ばかりが名を連ねていた。そこで二人は、これから大きく羽ばたく若い人を掘り起こして意見や情報発信をしてこそ、日本を変える力になると考えた。

 わずか半日で内閣府へ企画を持ち込むことを決め、一枚の展示企画書を手に内閣府に行き、即応募をした。そして、9月19日~21日に京王プラザホテルで行なわれた第15回APEC WLNでの出展が決まったのである。

 以下は、応募書類に書いた、企画内容である。

<テーマ>
Startup Project in Japan、ものづくり・技術分野で、開発・起業に向かう日本の女性たち
<団体>
AWEC・J300・BRIDGE
<内容>
女性が関わるものづくり・技術研究や新サービスなどを紹介。製品のPRではなく、その製品が生まれるきっかけになった背景や、起業に結びつくまでの女性の生き方・経験などを紹介する。

 さっそく二人は、一緒に出展する女性起業家たちを探し始めた。ジオメディアサミット未踏ソフトウェア創造事業ほか、いくつかのコミュニティのリーダーに、新進の女性起業家や起業を志しているような女性の推薦をしてもらうなどのサーチを続け、集まったのが以下のメンバーだ(タイトルは当時)。この面々が、SPARK!の第一期メンバーとなる。

大山有美 株式会社アクシオン 代表取締役
菊永英里 株式会社Chrysmela 代表取締役
椿奈緒子 cybozu.net株式会社 代表取締役CEO
牧田恵里 INX Japan international 代表取締役
岩崎かおる 株式会社スカイミント 代表取締役
佐々木美紗 株式会社シーエー・モバイル ゼネラルマネージャー
森本有紀 理化学研究所 研究員
岡瑞起 東京大学 知の構造化センター
石川麻由 株式会社ウィルモア 代表取締役

 奥田氏と東氏は、メンバーを集めるときに、APEC WLNへの出展に向けて力を合わせ、世界と繋がりたい、国内外に発信したいというメンバーを募った。条件を“起業家的”であれば、スタートアップの創業者ではない社内起業家も、研究者でもよしということにし、結果的にバラエティに富んだ面々を集めることができた。共通するのは、生命エネルギーの高さだ。

APEC WLNをきっかけにSPARK!結成 Photo by Shuji Honjo

 SPARK!の発足は、出展へ向けて一同が集まった会合で決まった。APEC WLNの出展だけで終わりにするのではなく、継続した活動にしようと皆の意識が統一された。SPARK!はStartup Project with Action, Relationship and Knowledgeの頭文字で、起業、行動、関係性、知識共有がSPARK!の基本であるという意味が込められている。

 「思い立ったらすぐ行動」、「いくつものコミュニティとつながるハブ人材を生かした新たなコミュニティの組成」、「趣旨に共鳴した人と分け隔てなく協働する」など、SPARK!の行動規範からはチームづくりやコミュニティづくりへのヒントがみてとれる。

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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