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インキュベーションの虚と実

明確な意図の下に集いゆるやかに連携する
コミュニティを進化させろ!
女性起業家グループ「SPARK!」

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第14回】 2012年11月12日
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新鮮さを保つために
毎年秋にメンバーを一新

 起業家はステージにより、取り巻く状況や必要な人脈、ノウハウは変化する。それを見越して、SPARK!では構成するメンバーを縛らず柔軟に運営している。実際に、毎年秋にメンバーを一新するのが恒例だ。

 昨年秋からの第二期は、スタートアップ・ムーブメントを反映し、第一期からの4人(5人は卒業)に、次の5名が加わった(タイトルは当時)。いずれも、SPARK!なしでも、各所で注目されている顔ぶれだ。

木下優子 株式会社アゲハ 代表取締役
草野絵美 株式会社Kwl-E 代表
米良はるか オーマ株式会社 マネージャー(Ready For?)
仲暁子 ウォンテッド株式会社 代表取締役
松村映子 heyday, Inc. 代表

ラジオNikkei「アサカツ!」出演 Photo by S.H

 活動のバラエティは第1期より広がっている。世界銀行日本代表を訪問したほか、500 Startupsメンターとのmeetup、LinkedInのイベントなど、クローズドの会合へ参加した。また、ラジオNikkei「アサカツ!」出演などもある。

 今年4月の500 Startupsメンターとのmeetupに参加した松村氏は、「500 Startupsへの見方が変わった」そうだ。その後、自ら500 Startupsへアプローチして親交が深まり、いまもコネクションを維持し積極的に情報交換をしている。これはもちろん自助努力ゆえだが、SPARK!がユニークな化学反応が起こる場を提供したという、コミュニティの良さを実感するでき事だった。

 なお、第2期メンバーは次のステージへ進むということで、ほとんどのメンバーは今年の秋でSPARK!を卒業する。もっとも、第一期メンバーは同窓会を開くなど、つながりは続いている。

 第1期メンバーが2年弱経過して開いた同窓会では、6人のうち3人が結婚し、3人が妊婦、2人が東京から海外などに拠点を移し、活躍していた。そのうち1人は、すぐもう一つ会社を立ち上げた。

情報とチャンスが
得られるメリット

 発足時からメンバーを続けている菊永英里氏にSPARK!ついて率直な意見を語ってもらった。

 彼女はSPARK!の魅力としてメンバーの個性が豊という点などを挙げてくれたが、情報が入ってくる事を特筆すべき点だと話してくれた。

 菊永氏が起こしたクリスメラはアクセサリー事業を手がける。製造業は、ほぼ100%男性社会で、宝飾業も経営者は男性が多い。歴史のある伝統的な業界であるため、若手経営者が集う会合などもあまりない。それに情報は業界内の話題に偏り、他業界の話題は乏しい。

 しかし、SPARK!には、奥田氏や東氏やサポーター、各メンバーを通して、さまざまな情報が入ってくる。多様なジャンルでビジネスを手がける女性が集まっているため、そこから得られる情報は刺激になり、自分のビジネスの参考になるそうだ。

 また、手を挙げればチャンスをもらうことができる。実際に、菊永氏は東氏から紹介されたThe Entrepreneurs Awards Japan 2010に応募をしたところ、Groundbreakers Award (for an outstanding entrepreneurial woman) を受賞した。それがきっかけで、菊永氏はいくつかのイベントで出演する機会を得られ、人脈も広げる事ができたという。こうした活動を経て、菊永氏はNHKクローズアップ現代(今年4月17日「“女性”の起業 社会を変える原動力」)でも大きく取り上げられた。

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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