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金融市場異論百出

過熱する香港の不動産バブル
QE3で歪むエマージング経済

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年11月13日
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 香港の住宅価格は2007年以降64%も上昇した。世界の主要国・地域で最も高騰している。2位はオーストラリアの+23%、3位はシンガポールの+21%。中国本土は+18%、ドイツは+7%、日本は▲13%、米国は▲28%だ(英「エコノミスト」8月18日号)。中国本土からの投資資金に加え、FRBの“QE”の影響などによる海外のホットマネー流入が香港の資産市場を過熱させている。

 香港の繁華街チムシャツイを10月27日(土)に歩いていたら、至るところで、ものすごい数の不動産セールスマンに取り囲まれた。どんな新築マンションなのかとちょっと興味を示すと事務所に連れていかれそうになる。いつものことなのかと思ったら、その日は特に激しかったらしい。

 香港政府が前日に、永住権を持たない人の住宅購入や、会社名義での住宅購入に印紙税を15%課すことを突然発表したからである。発表時にジョン・ツアン財務長官は、FRBの“QE3”の影響にも触れつつ、「小、中規模のアパート価格はこの9カ月で21%も上昇した。住宅価格は普通の人には購入不可能な水準になってしまった。不動産市場のバブルのリスクが高まっている」と説明した。

 ただし、10月26日の増税発表(午後6時)から実施(午前0時)までの間には6時間あった。その間に買ってしまおうとする投資家が香港の不動産販売会社に駆け込んだという。「南華早報」によると、ある女性は、深◎(シンセン、◎は土扁に川)にいる友人に到着するまでの間、行列に並んでいてくれ、と頼まれた。その友人は子供のために香港で物件を物色していたが、突然の増税を聞いて、あわてて1400万香港ドル(1.4億円)のマンションを二つ購入することになったそうだ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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