「校長先生が考えられた学校教育目標は、(具体的に)浮かばないですよね。もしかしたら、そこがいちばん大事なところだったのではないかなと」

 54家族にはそれぞれの思いが詰まった20ヵ月がある。子どもが亡くなったことで、大川小のPTAのメンバーでもなくなり、学校という存在から切り離された生活を送る人も多い。

 すでに1年8ヵ月が経過したが、遺族の、市教委や市に対する不信感は相変わらず強いままだ。

 この4者会談は、事態の進展に期待を寄せて集まってきた遺族たちにとっては、お互いの再会の場でもあり、話し合いや情報交換のきっかけになっていくのかもしれない。

 事態の解決に向け、設置されることになる検証委員会には、副大臣、官房長らによる遺族への説明やタイミング、スピード感などをみても、文科省の本気度が感じられて、ようやく一歩前へ進むことにはなりそうだ。

 あの日、子どもたちや先生たちが味わった無念の思いを、決して“学校だけ”“現場だけ”の問題で片づけてはいけない。

(池上正樹、加藤順子)

◆お知らせ◆
大川小学校の津波被災の問題を、児童のご遺族を交えて考えるイベントが催されます。

「74名の小学生は、どうして校庭で大津波に呑み込まれたのか?
~大川小溺死事件の真相を探り、子どもの権利条約の視点から考える」

日時:11月17日(土) 12:30~17:30
場所:明治大学リバティータワー1064教室
費用:500円(資料代)
内容:① 真相解明を求めるご遺族の方々の声、② 不可解な石巻市教育委員会の対応、③ なぜこんなことが起きたのか
形式:スピーカーによるパネルトーク後、会場参加型の討論
申し込み:不要
主催:DCI日本支部(子どもの権利のための国連NGO)(問い合わせ先はリンク先よりご確認ください)


<お知らせ>
筆者の新刊
『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)池上正樹/加藤順子・共著が刊行されました。3.11、 学校管理下で、なぜ74人もの児童たちが、大津波の犠牲になったのか。なぜ、「山へ逃げよう」という児童たちの懸命な訴えが聞き入れられず、校庭に待機し 続けたのか。同書は、十数回に及ぶ情報開示請求や、綿密な遺族や生存者らの取材を基に、これまでひた隠しにされてきた「空白の51分」の悲劇を浮き彫りに していく。