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労働市場最前線Ⅱ

転職希望者は同業種・同職種の呪縛を振り払え
キャリアアップ転職には個人の活動変化が必須

黒田真行
【第4回】 2012年11月15日
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 「不況が長引く中で、キャリアアップできる転職は難しくなっているのでしょうか?」

 新聞や雑誌の記者の方々から「日本の雇用」や「転職市場」をテーマにした取材を受ける時、もっとも多い質問のひとつが、この質問です。と同時に、もっとも古い質問でもあります。「1991年のバブル崩壊直後」や「1997年の金融ビッグバン直後」、「2008年のリーマンショック直後」といった“不況期”に、少なくとも20年間は、聞かれ続けている質問だからです。

 「失われた20年」と言われるバブル崩壊以降の雇用関連のニュースは、当然のことながら明るい話題は少なく、中途・新卒問わず、どちらかというと厳しい話題が圧倒的に多いわけですが、転職市場についての取材では、この質問が不動のトップです。

 結果的に、社会人の雇用情勢に関するニュースの論調は以下のようになります。

(1)不況発生 → (2)リストラ活発化 → (3)中途採用の基準が厳しくなる → (4)転職がままならない → (5)キャリアダウン転職が増える、または失業が増える → (6)国と産業界による本格的な雇用対策に期待するまたは、スキルや資格取得で防衛する必要がある。

 総論としては確かにその通りだと思います。ただ、その背景には、もう少し複雑化した状況や過去からの変化があるので、改めて整理したいと思います。

雇用環境の激変で
語れなくなった「一般論」

 まず、大前提として、特に97年以降の雇用環境の激変によって、転職市場に関して「一般論」を語ることがきわめて難しくなっています。

 冒頭の質問以外にも、たとえば「転職のベストタイミングは?」や「転職時に狙い目の業界は?」、「売れる資格・スキルはどれだ?」などの質問に、一般論で答えても、転職市場の状況を踏まえた現実を言い表すことは、ほぼ不可能です。それは、先の問いに「ところで、それはいったい誰にとって」と付け加えると、一般化して答えられないということが、お分かりいただけると思います。

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くろだ・まさゆき 1965年、兵庫県生まれ。1989年にリクルート入社。求人情報誌『B-ing』『とらばーゆ』『フロム・エー』各関西版編集長を経て、2006年4月より『リクナビNEXT』編集長に就任。入社以来20年以上、中途採用サービスを一貫して担当しており、多様な業種の経営者・人事責任者2000人、ITエンジニアから宮大工まで転職者8000人との取材コンタクトを持つ。


労働市場最前線Ⅱ

2011年1月からスタートし2012年7月まで続いた『ワークス研究所の労働市場「最前線」』の第2弾。新卒就職、非正規社員、シニア世代の再就業、労働法制……、日本労働市場には多くの課題があり、それは業種や規模の大小を問わず、すべての企業に関係する事だ。本連載ではリクルートワークス研究所の研究員のみならず、リクルートグループ内で「労働」に深く関わる識者からの、最新の労働市場分析や提言をお届けする。

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