生き残りをかける
組織の作り方を議論

 10月30日~31日、デジタルマーケティングとアドテクノロジーのカンファレンス「アドテック東京2012」が、東京国際フォーラムで開かれました。アドテック(ad:tech)は東京を含む世界8都市で開催されており、最先端の広告技術についての展示やセッション、パネルディスカッションなどが行われる大規模な展示会で、東京での開催は今年で4回目。総来場者数も2万1434名と、前年の約2倍になるなど、まさに日本のマーケティング業界の展望を見通すためには欠かすことのできない一大イベントに発展しています。

 私は公式セッション「デジタル時代にみる組織論:生き残りをかける組織の作り方とその理由」(写真)のモデレーターを務めました。 

急速な変化スピードの中で<br />変化しない本質を見極めるにはアドテック東京2012 セッション「デジタル時代にみる組織論」より。左から著者と佐藤、岩下、久保田の各氏

 世界屈指のブランドコンサルティングエージェンシーであるインターブランドジャパン代表取締役社長の岩下充志氏、日本のメジャーデジタルエージェンシー セプテーニ・ホールディングス代表取締役社長の佐藤光紀氏、投資銀行として多くの米国メディアや広告テクノロジーのスタートアップ資金調達、およびM&Aサポートを行うGCAサヴィアン のマーケティングオフィサー 久保田朋彦氏といった業界一線の方々がスピーカーとして登壇しました。

 このセッションでは、デジタル時代を迎え、企業組織の在り方も必然的に変わってきている中、その変化の本質とは何かについて話し合いが行われました。

 登壇者の共通認識は、「すべてのビジネスオペレーションのスピード化が進む中、意思決定のスピードが速くなってきている」というものです。

 ビックデータの活用により、以前よりも意思決定の根拠となるべき経営分析のデータが早く、正確にマネジメント層に届くようになりました。しかし、せっかくリアルタイムにデータが上がって来ても、それを承認するために依然として会議が何度も繰り返され、稟議書を回していくつもの印をもらわなければならない、そんな旧来の組織やシステムではスピード感のある経営判断は下せません。

 このような状況下で組織はどうすべきかを見出すのが、われわれのセッションでのテーマです。