この1月1日から6月30日までの期間のことを「特定期間」というのですが、今年独立した人ばかりでなく、今年初めて年間売上高が1000万円を超えたという方は、今年の特定期間の売上をもう一度確認してみる必要がありますね。

  しかしながら税法というのはよくできていて、というか税務当局はよく考えているものだと思うのですが、今回の制度には、救済措置というか、もう1つの新しい条件が加わっています。

  それはどんなものかというと、特定期間の売上が1000万円を超えていても、同じ期間に支払った給与の総額が1000万円以下ならば、消費税の課税事業者にならない、というものなのです。

  ここで言う給与には、正社員やパート・アルバイトへの給料はもちろん、ボーナスや臨時手当なども含まれますし、個人事業主が家族従業員などへ払う「専従者給与」も含まれます。

  だから、極端な話をすれば、6月末頃になって売上高が1000万円を超えるか超えないかギリギリで超えそうな場合、翌年に消費税の課税事業者にならないためにアルバイトを雇って給料を払う……なんてこともできないことはないわけですね。

  もちろん、払ってもいない給料を払ったことにしたりするのは絶対にやってはいけません。

  ちょうどいま、この時期になってあわてて計算してみたら特定期間の売上が1000万円を超えていて、しかもその時期には誰も雇っていなかった、なんてなったら、来年からあなたは消費税の課税事業者だ、ということになります。

  売上高に応じて消費税を計算し、再来年の確定申告時に消費税を納めなければならなくなりますので、いまから納税資金の準備をしておくなどしておくといいでしょう。

  繰り返しますが、特定期間の話は今年独立した人、今年フリーランスになった人たちだけが対象になるのではありません。
  個人事業主でこれまで消費税を納める必要がなかった人たちも押しなべて対象になりますので、注意が必要です。

  特に今年の特定期間、つまり2012(平成24)年の1月1日~6月30日までの売上高については、しつこいようですが再確認したほうがいいでしょう。