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山崎元のマネー経済の歩き方

運用会社は宗教のビジネスモデル

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第89回】 2009年8月7日
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 たとえばファンドマネジャー経験者が、運用会社をつくろうと思うと、十中八九は運用体制をどうするかに注意が向く。サラリーマン時代に、勤務先の会社の運用に対する態度が不真面目だとの不満を持つファンドマネジャーは少なくないので、いざ自分で独立となると運用に力が入る。

 だが、ビジネスとしての運用会社で重要なのは、一に販路であり、二に商品の売り方だろう。もちろん、結果として表れる運用力も事業の成否に大きく影響するが、投資成績を直接改善できる努力の方法があるわけではないので、ビジネスとして重要なのは運用力そのものの強化よりも、商品としての運用力をどう売るかなのだ。

 一方、顧客の側が個々の運用会社に期待するのは、素人、あるいは他の運用会社よりも優れた結果を出す運用力だろう。インデックス・ファンドを主力商品とする会社でない場合、その会社の商品が市場平均に負けると予想されれば、顧客はその商品を買うまい。

 しかし、現実には、市場平均に勝つことを目標に運用されているアクティブ・ファンドの運用成績の業界平均は市場平均を下回るのが通例だ。運用会社の側では、過去3年とか5年といった結果から見て自社に都合のいい期間を取って運用成績を他社と比べたり、ファンド設定時の初期に稼いだ運用成績を含めて設定来のパフォーマンスを誇ってみたりと、なんとかして自社の運用力をアピールする。

 運用会社にとっては余計な説明かもしれないが、運用成績を評価する際には、顧客の側で運用期間を何通りかに区切って、それぞれの期間について相対評価してみることが重要だ。単純に通算成績や直近の成績だけを見てはいけない。もっとも、どのように評価しようとも、「過去の運用成績は将来の運用成績を予想しない」というのがほとんど定説なので、過去の成績を過信してはいけない。「後から探せば」相対的な運用成績がいいファンドは必ず存在する。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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