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新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

あまたある管理売春事件のひとつ
三面記事って、悲しいよね

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第10回】 2012年11月16日
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 少なくとも、月に一、二度の割合で逮捕される輩がいる。売春防止法違反である。

 この手の犯罪にはたいがい児童福祉法違反がつきまとい、あたかもセットになっているかのような印象さえ与えている。未成年者に淫行を強いる行為が児童福祉法違反に当たり、それを組織的に、かつ体系的に行なうのが管理買春だ。定期的と言ってもいいほどに摘発、逮捕される犯罪のひとつでもある。

 さる九月三〇日、静岡県内で組織的に“デリヘル”を運営していた男女六人が逮捕された。リーダー格とおぼしき男の職業は“会社員”と記載されており、ということは、おそらくはサイドビジネスとしてデリヘルを運営していたのだろう。逮捕時の年齢は二九歳だった。

 デリヘルというのは“デリバリーヘルス”の略で、派遣型風俗店と称されるらしい。

 最初は毎日新聞の地方版に載った小さな記事だった。毎日新聞(静岡版)によると、容疑者らは、今年三月、一七歳の無職の少女を一八歳未満と知りながら静岡市内のホテルで二回、男性計二人に淫行を強要させた容疑、とある。

 少女は、昨年八月に“出会い系サイト”で主犯格の容疑者と知りあい、俺の組織で働けと脅されたらしい。そして静岡市内のアパートに住まわされ、一味が見つけてきた客の相手をさせられた、という事件だった。少女の証言では、男性客の相手をさせられたのは五〇人以上とのことだ。

 それからひと月を経て、事件の続報が各紙に載った。容疑者ら再逮捕の報だ。

 逮捕された容疑者らはすでに起訴され、詳細がわかったのはいいが、たいへん困ったことに、新たな事実が各紙ともにばらばらなのだ。極端な言い方をすれば、ある新聞は容疑者の顔を報じていて、別の新聞は右手を報じ、さらに別の新聞が左足を報じているといった感じだ。どうにも、新聞の“悪いところ”が出てしまったようでもある。

 当初、今回の“三面記事”はアンナミラーズの中国進出を取り上げるつもりだった。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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