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美人のもと

落ち着き

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第144回】 2012年11月19日
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 美人像について語り合うと面白い。世の中にはいろんな人がいるように、美人像にもいろいろある。しかし、たいていの人が語る美人像でよく出てくるのは「落ち着いている」ことである。

 その落ち着きの正体とはなんだろう。美人は、別に感情が薄いわけではなく、むしろ表情は豊かである。はっきりしているのは、困難に対して冷静でいられる強さのようなものだろう。

 その強さをつくっているのは、自分で考えて判断する習慣を持っていることだろう。その判断する瞬間こそ「美人のもと」が増える時ではないだろうか。考えて、決断したときの表情はキリッとしていて美しいのだ。

 これはほとんどの人が自分では「私はできている」と思っているのだが、意外とできている人は少ない。たとえば、買物。自分で判断しているようで、やたら他人に意見を聞いて回ったり、インターネットの評判ばかり集めたり。

 判断するために考えた経験は、同じような判断をしなければならない時に役立つ。あの時こう考えたから、こうなったと。判断の習慣とは、判断に自信を与えてくれる。

 それが困ったときにも慌てず、判断しようとする。美人の落ち着きだ。

 今日の昼に何を食べようかということくらいで「悩んでいる」と表現する人がいる。こういう人は、ちょっとしたトラブルでも大騒ぎする。困っていることを大げさに主張する。独特の高い声とともに。緊急声。キミ、いつも困っていないか。緊急声は「美人のもと」を減らすのに。

 何でもかんでも他人に意見を言ってもらわないと、決断できない。自ら考えようとしない。考えることよりも他人に反応してもらうことに注力する。いつも相談ばかりしているので、助けてもらった相談相手への感謝もない。

 自分がなくなっていくのだ。ファッションに興味はあるのに、自分のスタイルがないために、いつも時代に流されてばかりいて、何を取り入れていいのかわからなくなり、結局いつもバラバラな服装をしている。ある程度服を持っているのに「私、着たい服を持っていない」と毎朝のように緊急声を出す。一人で判断できないから、困っているだけなのに。

 自分があること。それは落ち着きをつくり、美しさをつくるのである。

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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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