食肉事業の物流は“商物一体”食肉事業の物流は“商物一体”

伊藤ハム米久ホールディングス(HD)では、幹線輸送の改革を進める。トラックドライバー不足や労働時間規制の強化に対応するため、全国の生産拠点から消費地への長距離輸送について海上・鉄道輸送へのモーダルシフトに加え、トレーラ化やスイッチ輸送の導入などで輸送効率を向上させる。2024年4月からドライバーの時間外労働上限規制が適用され、長距離輸送の制約がさらに厳しくなることから、複合的な取り組みにより持続可能な幹線輸送のあり方を探る。(カーゴニュース)

伊藤ハムと米久が経営統合
物流部門はHD直轄組織に

 2016年4月1日に伊藤ハムと米久が経営統合し、伊藤ハム米久ホールディングスとしてスタートした。新体制では全体最適の目線で取り組むための組織体制づくりの一環として、2018年10月1日に物流部門をHDの直轄組織に変更。今年度からスタートした3カ年の中期経営計画では、生産・物流体制の最適化に取り組む。

伊藤ハム(加工食品事業)のLCの配置
伊藤ハム(加工食品事業)のLCの配置 拡大画像表示

 同社の物流は「食肉事業」と「加工食品事業」でそのスタイルが異なる。食肉事業は“商物一体”で、東西の物流拠点である関東DC(東京・平和島、城南島)、関西DC(大阪・南港)に輸入肉や東北3県および鹿児島県産の国産肉を保管・仕分けし、全国83の販売拠点に移送。販売拠点が各エリアの得意先にルートセールスを行う。

 一方、ハムソーセージを含む加工食品事業は“商物分離”で、営業拠点では在庫は持たず商流に特化している。全国11ヵ所の伊藤ハムグループの生産工場から北海道、東北、東京(柏)、中部、六甲、九州の全国6カ所の大型ロジスティクスセンター(LC)に幹線輸送し、同LCから担当エリアの得意先に配荷する。