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11月19日 18時0分
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円安が続くには〜日銀が、米FRBに見習えばよい〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

衆議院解散が決まった11月14日以降、円安、日本株高の流れが続いている。11月14日16日レポートでも述べたが、次期政権において日銀による金融緩和が強化されるとの期待が浮上しているためだ。グラフでは米日長期金利差とドル円を比較しているが、11月前半までの円安ドル高は、米日長期金利上昇の後追いで説明できる。ただ、16日レポートで紹介したが、「国会解散言及」以降、長期金利差は動いておらず、日本の要因で円安が進むフェーズに入った。


2012年2月14日に日銀が+1%のインフレ目標を明示した時にも、3月半ばまで約1ヶ月に亘り、長期金利差が横ばいで推移する中で円安が続いた(グラフ参照)。日銀の政策がこれまでと大きく変わるという期待が浮上している点で、当時と現在は同じ構図である。このため、新たな政権が誕生するまであと1ヶ月あるが、少なくとも前回と同じ期間に亘って、日本側の要因で円安地合いが続くことは期待できそうだ。


安倍自民党総裁は、先週「2〜3%のインフレ目標を設けて無制限の金融緩和」などと言及した。実際に16日(金)に自民党が公表した基本方針の中に、「明確な物価目標(2%)を設定し、目標達成に向け日銀法の改正も含め、政府・日銀の連携強化の仕組みを作る」と明記された。そして安倍総裁は、日銀法改正の内容について、「政府とともに物価安定目標をちゃんともっていくこと。雇用に対して責任を負うことだ」(日経新聞)と言及している。

日銀法改正などの自民党の政策案には、「物価安定と雇用最大化」の2つの目標を追い政策運営を行う米FRBと同様、日銀も金融政策を運営すべきとの考えが背景にある。メディアでは一連の政治の動きに対して、「日銀への圧力」など批判的な論調が目につくが、実際には、物価安定に成功している米国を見習い、日銀が政策を運営する仕組みを目指しているわけである。

リーマンショックという激震があったにも関わらず、2%前後の物価の安定に成功している米国に習うという点で現実的と評価できる(グラフ参照)。日銀は、現行日銀法で定められている「物価の安定を図る」という「抽象的理念」によって政策運営を行っている。ただ、実際には「実現すべき経済状況」が曖昧なためか、デフレ克服に必要な大胆な金融緩和を躊躇しているようだ。「+2%の物価安定」と「雇用の最大化」という明確な目標があれば、それを早期に実現するために、大胆な政策発動を行う責任を日銀は持つことになる。


こうした意味で、円高デフレ克服が最優先課題であれば、日銀が「明確なインフレ目標」を持つことが有効なのは明らかである。現在の日銀法に、「プラスインフレでの物価安定」、「雇用最大化への配慮」などの目的は含まれていない。これらの目的が日銀法で定められれば、日銀はデフレ克服に向けてより積極的な政策に踏み出すだろう。

自民党が掲げる政策が実現すれば、日銀が、米FRBのように安定的なプラスの物価安定を実現するために、最大限の政策対応が行えるようになる。そして、金融緩和の強化でデフレ克服が早まれば、長年続いた円高圧力は和らぐ。つまり現在の円安が続くためには、日銀が米FRBに見習える仕組みを、政治が整えればよいわけである。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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