市場変化に対応し
早めのマイナーチェンジ実施?

電気自動車市場の「踊り場感」脱出なるか!?<br />日産「リーフ」マイナーチェンジへの期待マイナーチェンジを受けた日産「リーフ」 Photo:NISSAN

 2012年10月29日(月)、JR横浜駅東口にほど近い、日産自動車本社。

 同ビル上層階で、「リーフ」マイナーチェンジ事前説明会が行われた。

 11月20日発売(同日、記事化解禁)の同車。開発関係者らが改良部品を前に、メディアからの質問に答えた。

 筆者「仕向け(=販売地域)では、(現時点で)日本が約1万9000台と一番多い。元々、こういった(販売の)イメージだったのか? 今回改良したことで、欧米でどう売っていきたいか? それは販売計画として、または(開発者としての)個人的な思いとして、どう考えているか?」

 これに、「リーフ」開発の責任者、ゼロエミッション事業部/チーフ・プロダクト・スペシャストの阿部徹氏はこう答えた。

「市場についてはいろいろな考え方があるが…。企画当初はアメリカがメインマーケットだった。(今後も)日産の地元日本とアメリカが主要市場だ。さらに今回、本革仕様の設定がある。これはアメリカからの要望だ。(今後も)グローバルの声を聞いて、いろいろな手を打っていくことになる」

 配布された資料では、リーフの同年10月15日時点での販売実績は約4万台。そのうち、アメリカが約1万5000台、欧州が約6000台だ。また、世界市場でのEV販売シェア(2012年8月末時点)では同車が52%を占める。つまり、EV世界市場全体は約7万7000台である。

 また同社広報部によると、「リーフ」の計画販売台数は、2011年度(4月~3月期)が2万台、2012年度(同)が4万台。合計で6万台だ。計画達成のためには、今回発表の販売実績約4万台に対して、2012年度末までの5ヵ月でプラス約2万台が必要だ。「リーフ」の主要市場の日米で最近、アーリーアダプター(新しいモノ好きの初期購入者)の頭打ち傾向が見られ、需要に「踊り場感」が出ていた。そうした背景もあり、マイナーチェンジ発表を急いだと思われる。