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イヤなことは一切しない!「一人一億」稼ぐ会社の鉄則
【第1回】 2012年11月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
山本富造 [山本化学工業株式会社 代表取締役社長]

時代の荒波を乗り越える会社の鉄則
「自転車操業こそ健全」と心得える

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手形は絶対に切らない

 1984年、僕は25歳で四代目社長になった。おやじがある日突然、「俺、今年60になるから定年や。社長、交代するで」と言ったから。

 おやじの代は1ドル=360円の固定相場制で、輸出が花型の時代だった。ところが、翌1985年のプラザ合意後、一気に円高に転じて3年後には1ドル=120円まで行ってしまった。その結果、「材料代は同じで、売り上げは半分」という状態が続くことになった。新米社長としてはホントに弱った。

 ウチみたいな製造業は材料の仕入れがあるから、手形を切るのは当たり前。でも、どんなピンチに陥っても、僕はかたくなに手形を切らなかった。というのも、おやじの時代に一度だけ、手形を切ったものの集金できず不渡りを出したことがあったから。

 絶対に手形は切らない。その代わり、おカネがない時は本当にない。毎日毎日が、まさに自転車操業だった。

 「プラザ合意」に端を発したピンチのさなか、一つだけ助かったのは、輸出は商品を作って出荷すればすぐにおカネが入ってきたこと。日本国内で売る場合は掛け売りだから、締め日があって、支払い日があって、出荷から入金まで1ヵ月以上かかる。それが、外国相手だと1週間くらいで現金になる。

 1ヵ月に何回も出荷すれば、次々に入ってくるおカネで何とかやりくりができた。綱渡りと言えば綱渡りだけど、手形さえ切らなければ不渡りはない。廃業はあっても倒産は絶対にないわけ。廃業と倒産じゃ、雲泥の差。

 僕は、自転車操業はそれなりにいいものだと思ってる。もちろん、手形を切りながらの自転車操業はリスクしかない。でも、手形さえ切らなければ、会社のダメージは最小限ですむ。

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山本富造 [山本化学工業株式会社 代表取締役社長]

高速水着素材で知られる大阪の山本化学工業株式会社・代表取締役社長。社員73名で、社員一人当たりの売り上げは1億円を超える。1959年、曾祖父、祖父は日本初の安価ボタン、父は消しゴム付き鉛筆で大成功を収めた発明家一家の長男として生まれる。1984年、25歳の時に父親の「社長、交代するで」の一言で経営者に。度重なる円高により長らく自転車操業を余儀なくされるも、「超高付加価値商品」に舵を切ったことをきっかけに逆転。現在は医療機器から放射線遮蔽服まで幅広く手がける。特技は少林寺拳法。正拳士四段を保持。ニックネームはトミー。


イヤなことは一切しない!「一人一億」稼ぐ会社の鉄則

競泳、トライアスロンのトップアスリートが「着たい!」と口をそろえるウェアがある。「世界一速い水着素材」を作る会社として知られる大阪の山本化学工業。社員73人の中小企業でありながら、「一人一億」稼ぎ続ける会社の鉄則とは何か? 4代目社長が明かす超絶ユニークな経営哲学。「人材はアホ:プロ=4:3で配置する」「超オーバースペックを目指す」など、どんなにちっちゃい会社にも役立つ知恵を紹介する。

「イヤなことは一切しない!「一人一億」稼ぐ会社の鉄則」

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