仕事は兼務させる

 開発担当者を置かないのには、コスト面以外にも理由がある。

 開発担当者とは、いわゆる「プロ」。誰にも負けないような専門分野を持っていて、一つのことをトコトン突きつめていく。だけど、僕はそういう専門家には弱みもあると思ってる。

 たとえば、日本の家電メーカーは、2000年代後半から「地デジだ!」って言ってテレビばっかりに力を入れてきた。そして、今、軒並み業績を落としてる。これは専門家ばかりが集まった結果じゃないかと思ってる。

 もし、いろんな立場の人でプロジェクトチームを組んでいたら、違ってたんじゃないかな。きっと、そのなかに一人くらい勘のいいやつがいて「テレビが売れるのはいっ時やから、次を考えなアカン!」って言い出したと思うよ。

 で、ウチはどうしてるかといえば、やっぱり、みんなが仕事を兼務するようにしてる。新商品を開発する時のプロジェクトチームは、たいてい7人。現場で製造をやってる人間、営業をやってる人間、それから僕。普段の仕事と同時並行だから、会議や試作はそれぞれの仕事の時間をやりくりして進めることになる。