最後までやり遂げるには「接近勾配の法則」

 さらに、「接近勾配の法則」というものがあります。これは、ゴールや目標達成が近づくたびに集中力がアップしていく傾向のことです。たとえば書類を作成しているときに、食事の時間が近づいてきても、書類完成までエイヤッとやり遂げてしまいたくなるあの感覚のことです。

「作業興奮」で始めてみて、「接近勾配の法則」で完成させていくのが、忙しいビジネスパーソンにはピッタリかもしれません。
「作業興奮」は、お金もかかりませんし、道具もいりません。使うのは自分の脳内物質だけという何ともエコな仕組みです。ぜひご活用下さい。

掃除で気分を上げてから、仕事に取りかかる

 昔、船長は仕事がないとき、船員に厳しい号令をかけて甲板を磨かせたそうです。長い航海で何もせずにボーとしていると、心身ともに病みます。適度に身体を動かすことがちょうど良いストレス発散につながり、余計な考えも浮かばず、健康になることを知っていたのでしょう。

 同じことを私も実践しています。私の場合は、とりあえずデスクの片づけや本棚の整理をするようにしています。仕事の気分が乗らないときや考え事がまとまらないときは掃除です。掃除を始めて気分が乗り出したら仕事に向かうのです。

 ルーチンで行っている掃除もあります。一日の仕事が終わりデスクを離れるときには、必ず、机の上のものをできるだけなくすようにします。机の上にはデスクトップPCのみが残っている状態にします。
   帰宅前の3分間で行いますので、「3分間クリーニング」と自分では呼んでいます。

 朝はいったんタスクをリセットして、その日の優先順位を考えます。しかし、昨日の資料がそのまま置いてあると、その仕事にかからなければならなくなります。
   たまたま昨日の仕事の続きが最優先にヒットすれば良いですが、たいていは異なるタスクが優先順位の上位にきます。仕事柄、マルチタスクのことが多いので、一晩で状況が変わり仕事の優先順位が変わることが多いのです。