タイ 2012年11月22日

リタイア後、タイに移住したい日本人が質問
「外国人が勝手に『タイでロングステイ』と騒いでるのは不愉快?」
タイ人経理部長ブンが在タイ日本人の質問に答える【ブンに訊け!】

バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からの相談「日本人がロングステイに行くこと、本当はどう思ってる?」
ブンさんの個人的見解をお聞きしたく伺います。タイでロングステイをはじめようとしている日本在住56歳の男です。旅行で何度か来たタイが気に入り、数年間の移住を決意しています。
さて、日本ではリタイヤした人間の第二の人生としてロングステイがもてはやされていますが、そのもてはやされ方は、あくまでも日本人の目から見たものであることに少し違和感を感じています。
タイ人にとって日本人、いや外国人の大量のロングステイヤーの受け入れは喜ばしいことなのでしょうか。外国人が勝手に騒いで大挙してタイにくることに不快感はないのでしょうか。(テツ)


【ブンからの回答】

もちろんウェルカム、ロングステイ

  ウェルカムです! 日本の方が年金をもらってタイで暮らすのは快適だと思いますよ。暴動、戦争もありませんから、今のところは。日本からも近いし、魅力的な観光資源がたくさんあります。病院だって日本語が通じるし、文化だってそんなに違わないでしょう。国と国のパートナーシップも強まるし、いいことずくめですよ。

 こんなジョークがありますよね。豪華客船が沈んで救命ボートが足りないとき、今、犠牲になって海に飛び込めばヒーローになれると言えばアメリカ人が飛び込む。女性の熱い視線が集まると言えばフランス人が飛び込み、これは規則ですからと言えばドイツ人が飛び込む。そして日本人には 「さぁ、みんなが飛び込んでますから」と言えばいい。

 日本人を小ばかにしたような話ですが、これは、日本人は出しゃばらず、そして公共心があるということでしょう。皆さん礼儀正しいし規律も守るから、タイにたくさん来たって気にしません。中国人やインド人と違ってうるさくないし。日本人がたくさんタイにいるということはタイのイメージがよくなることだと思っています。

 日本人のみなさん、知っていますか? あなた方はすごくタイ人に信頼されているんですよ。そこに日本人がいるとほとんどのタイ人は敬意をもって「あ、日本人だ」とつぶやくんです。どんどんいらしてください。 それなのにタイの役所やイミグレ(出入国管理)には日本語の案内や書類がなくてごめんなさいね(編注:ブンは経理だけでなく総務も兼ねて日本人スタッフのビザなどを管理しているため)。

 日本人が来てわたしたちにとってちょっと困ることといえば、日本人がたくさんいるところの物価が高くなるということです。バイクタクシーやアパート代、料理屋などです。バンコクに来た日本人が困ると思うのは渋滞や公害、市場など価格の明示がないところでボラれる、人の密集、歩道は屋台のためにあるということぐらいでしょうか。

 日本人はチェンマイが好きなんですってね。タイの調査会社がチェンマイに住む日本人にアンケート調査をしたそうです。チェンマイが好きな理由は

(1)冷房を必要とするのは年に3カ月もない

(2)生活費が安い

(3)日本食レストランや日本食の素材がある

(4)病院も心配ない

(5)チェンマイの人は優しい

(6)外国人に開かれたボランティア団体がたくさんあるから

なのだそうです。日本のロングステイヤーのみなさん、どんどんいらしてください。

 ただし、タイが好きな方だけですよ。

*  *  *  *  *  

【『DACO』編集部より】

 「海外で第二の人生を」。タイでは50歳以上の退職者や年金受給者で80万バーツ(約200万円)以上の預金がタイ国内の銀行口座にあれば1年間のビザ(滞在許可証)がもらえる。とくにこのビザを持っていなくても(ツーリストビザの取得を繰り返すなど)、タイで仕事をせずとも、なにがしかの収入があり、長期滞在している人のことをロングステイヤーと呼んでいる。

 人気の居住地はバンコクが主で、次いで隣県のチョンブリ県、そしてチェンマイ県と続く。正確なロングステイヤーの数は在タイ日本大使館領事部でも把握できずにいるが、日本人高齢者の雇用の機会が少ないチェンマイ県に50歳以上の日本人が2000人がいることから、バンコクには4000人ぐらいのロングステイヤーがいるのではないかと勝手に推測している(あくまで編集部の感覚値)。

 ロングステイを希望する人のために、ビザ情報やタイでの生活をスタートする手伝いをする日本人のボランティア団体やサークルもいくつかある。ボランティア団体によると、以前は日本の家を売って思い切りよくタイに来て、気に入らなければ帰国するという人が結構いたそうだが、最近は日本で情報をキッチリ取得してから現地入りして調査・確認し、それからロングステイを決める慎重派が多いそうだ。

【撮影/『DACO』編集部】

(文・撮影/『DACO』編集部)

 

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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