2つの論点を
見極めることが重要

 総選挙が始まる。選挙の現実的な焦点は、自公で過半数をとることができるかどうか、できなかった場合、連立政権の形として、自公プラス民主党でいくのか、自公プラス日本維新の会(以下、維新)なのか、という点にある。どちらが実現するかによって、今後わが国の進路は相当異なるだろう。

 その枠組みは、国民が特定の政党、候補者を選択することによって結果的に決まるので、われわれには選択にあたっての何らかのものさしが必要となる。私は、今回の選挙は2つのことを見極めることが重要だと考えている。

 第1に、それぞれの政党の主張する政策の本質である。単に選挙目当てで有権者に甘い政策を主張しているのかどうか、主張の中身が経済社会にどのような影響を及ぼすのか、実行不可能な財源なきバラマキが主張されていないか、というような点がポイントとなる。

 第2に、主張を実現させていく政策遂行能力だ。国民の利害や考え方が多様化してきている今日では、大きなビジョンを掲げていても、それを実行に移すには、人々を説得し納得させ、まとめ上げ、合意させるという超人的な政治的センスと能力が要求される。一部の政党が目の敵にする官僚組織との戦い(?)もこの論点の中に入る。

 そこで、2回に分けて、選挙の争点を点検してみたい。1回目は経済財政政策を中心に、2回目は政策遂行能力を中心の論じる予定である。