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11月26日 18時0分
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株式市場の意外高が続くシナリオ〜2つの懸念が和らぎ米国株は急反発〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

感謝祭後の先週末(11月23日)、米国株式市場は大幅高となり、ダウ平均は200ドル近く上昇13000ドルの大台まで値を戻した。11月6日にオバマ大統領再選が決まった後に大幅安となった分をほぼ取り戻し、ほぼ1週間で上昇した格好である(グラフ参照)。


この米国株の急反発は、米国株式市場を取り巻く2つの懸念材料が後退したことがもたらした。一つは、世界景気減速が長期化し米企業業績が悪化し続ける懸念である。7―9月の米企業決算が冴えない結果となったことが、10月以降の米国株の調整の引き金になったが、欧州や中国などの景気減速が主たる要因となっていた。

ただ、先週発表された、11月分の中国製造業そしてドイツ企業の景況感指数が揃って、前月(10月)から改善した。これが両方とも改善したのは、2012年3月以来である(グラフ参照)。


既に米製造業の景況感は、夏場の終わりから改善に転じていた。これに遅れる格好で、中国と欧州の景況感が改善に転じ始めたとみられる。「米国はしっかりしているけど、欧州と中国が心配だから世界経済は依然厳しい」という懸念は根強いが、米国経済の復調に伴い、世界経済全体が回復しつつある。

もう一つの懸念材料は、米国の財政の崖である。これを巡る「極端な悲観論」が和らいでいる。11月12日レポートでは、大統領選直後に米国のメディアが財政の崖を巡って極端な悲観シナリオ、具体的には「共和党が一切妥協しないため、オバマ大統領が追い込まれる」が報じられていたことをお伝えした。予見不能なリスクが、大統領選挙後の米国株の急落を招いたが、先々週末オバマ大統領の財政の崖問題解決に対処するとの発言で、市場は冷静さを取り戻した。

もちろん、財政の崖を巡る政治動向についてはまだ流動的な面がある。ただ、「財政の崖」の主たるメニューの中で、減税措置が延長される可能性が報じられている。具体的には、ロイター社が15日に「民主党議員の間で給与税減税の延長を主張する声が高まっている」と報じた。

また本日(26日)の日経新聞朝刊で、ジョージタウン大学パールマン教授は「所得税の最高税率を一気に本則の39.6%に戻すのは困難。現行の35%から37%程度に引き上げ、民主・共和両党の顔が立つようにするのではないか」「(給与税の減税について)共和党は給与税減税に反対しているが実際に打ち切りとなれば個人消費に与える打撃が大きい。ホワイトハウスは給与税減税を含めた包括的な景気対策を検討しているようだ。大統領も減税延長を目指すだろう」とインタビューに答えている。

米国の政治動向について、筆者は詳細を見ているわけではないが、これらの報道が事実であれば、米国経済にとってかなり明るい。10月11日レポートで「財政の崖」について説明したが、このうち給与税期限切れに伴う増税はGDPの0.5%に相当する。この給与税減税の取り扱いは、大統領選挙前に、共和党・民主党いずれからも延長を目指す動きがなく、市場参加者のほとんどはこの分増税が行われると想定している。

ところが、「財政の崖」が懸念される中で、増税幅を抑制する方向に米国政治の風向きが変わり、こうした動きが出始めたとみられる。これが実現すれば、所得増税は富裕層だけに限定され、かつ増税幅もかなり小さくなり、2013年の米国経済への逆風はかなり小さくなる。結局、増税が先送りされた、2011年末と似たような展開すら期待できるということだ。

もちろん政治動向ゆえにどうなるか分からないが、大統領選直後に広がった悲観論だけではなく、現実的な政策対応がこれから実現するシナリオが見えたことは確かである。これらの2つの懸念材料の後退を踏まえると、10月から調整していた米国株を含め、世界の株式市場の意外高に期待できる。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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