日本のマニュファクチャリングとイスラエルの技術は良い組合せ

安藤 イスラエルの人にも言われましたが、向こうはマニュファクチャーが全然ないんです。で、スタートアップとしては日本みたいにマニュファクチャーがしっかりしている企業と組みたい、自分たちの技術を入れてつくってもらいたい、と。そのためにつないでほしいと言われました。

加藤 中国、韓国がイスラエルに入っているといっても、中国はインターネットが自由じゃない。韓国だってしっかりしたマニュファクチャリングがあるかといえばサムソンとLGぐらいで、中身の部品は日本製だったりする。となると、私は日本にはポテンシャルがあると思っています。SVSの翌日、イスラエル日本商工会議所のイベントでプレゼンした方のタイトルが印象的で、日本のことを“Low Entrepreneurship, High Innovation”と。「起業家精神は低いけど、イノベーションはある」ということですよね。確かにイスラエルの人に「イスラエルはイノベーションがすごい」と言うと、「イノベーションは日本だろう。でもアントレプレナーシップがないからダメなんだ」という答えが返ってくる。

安藤 商工会議所では、イスラエルのスタートアップと日本のスタートアップの将来への取り組みをテーマにプレゼンがあったんですが、僕らのセッションの前までは「日本には起業家がいない」みたいな話ばかりでした。

谷口 職人は職人、商売する人は商売だけ、に分かれちゃってるんですよね。起業家は両方やらないといけない、両方に興味がないといけないので、そういう人をつくっていかないと。

安藤 日本で成功しておられるイスラエル企業の方が、「日本の会社と付き合うときは最初からビジネスの話をしちゃいけない、2回目もダメ、3回目もダメ、4回目に会ったときにやっとビジネスの話ができるんだ」なんて話をされていて、古いタイプの会社と付き合って苦労されたんだろうな、悪いイメージなんだなと。でも僕らのセッションで全部ひっくり返してしまいました。僕らは違う、起業家もいるぞ、と。