タイ 2012年11月30日

タイに住む日本人が盗難被害に!
「警察はちゃんと動いてくれますか?」タイ人経理部長ブンが在タイ日本人の質問に答える【ブンに訊け!】

バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からの相談「盗難被害に遭い、警察に通報したのですが……」
 ブンさん、聞いてください。コンドミニアムの部屋に昨日まであったビデオカメラ、タグホイヤーの腕時計、妻の昔からの宝飾品の数々がなくなっていました。盗られたのです。絶対にホシは、週に3日通っていた、コンドミニアムに住み込んでいた掃除婦です。
  まず警察に通報して「現場」に来てもらいました。彼ら(私服刑事)は家宅捜査みたいなことをしてから私を廊下に呼び、煙草を一本私にすすめ、「最近、妻と の仲はどうなんだ」と聞くではありませんか。そういう痴情の線じゃない。犯人は掃除婦だと言うと、署まで同行願おうかということで掃除婦と二人で調書を取られに行きました。まぁ、聞かれたことに答えて、それを警察が書き込んでゆく、それだけです。掃除婦は「疑われて悲しい」みたいなことを涙を浮かべながら 訴えています(役者やのう)。別段、指紋をとるとかしないし、最初はそんなものなのでしょうか。
 翌日、「疑われてメシも喉を通らない」と言っていた掃除婦が、駐車場でクイティアオ(編注:タイの米麺)をすすっており、私と目が合うと、麺を口にすすりながらそそくさと立って姿を消しました。
 それから数日後、彼女の手首と首に細い金の飾りが。しばらくして田舎へ帰りました。警備員に聞くと、田舎の土地に家を建てることになったそう。絵に描いたような顛末です。証拠がないから品物が戻ることは諦めますが、警察はこういう場合、何もしてくれないのでしょうか?
 警察の仕事って?(カン)


【ブンからの回答】

警察に期待してはいけない

 はい。何もしてくれません。ほかの文明国同様、タイの法律でも警察の仕事というのは多岐に渡って定められていますが、その義務を怠っているのです。

 ダコ編集部の顧問弁護士の家にも泥棒に入られたことがあるそうですが、警察へ行ったら、調書を取られて最後に「お金がたくさんあるからって、あれこれ買って家にいっぱい置いとくからだよ」とアドバイス(?)されたそうです。おまけに「ここの署長の家も泥棒に入られてなぁ」と他人事のように言ったとか。彼は、あぁ、これじゃダメだと思い、すぐに盗難保険に入ったそうです。

 さて、警察にさっさと犯人を挙げてもらいたい場合には、調書の段階で、捕まえてくれたら被害総額の10~20%あげるから、と提示すれば張り切って仕事をしてくれると思います。その額を先に渡すか成功報酬として後で渡すかは、そのときの状況です。前者だと、難しそうだ、と判断すれば提案自体を断るでしょうし、後者にすると仕事してくれない可能性もあります。

 では、まず警察はどこを調べるかというと容疑者の家の近くの質屋です。質屋で換金する場合、身分証明書を提示しなければなりません。犯人は「どうせ捕まりっこない」と思っていますから、案外と近くの質屋を利用するようです。今回の場合ですと、警察は片っ端から質屋に連絡を入れ、容疑者とのつながりを見つけ出すかもしれません。

 いずれにしても証拠が第一です。証拠なしに掃除婦を糾弾するのはおすすめできません。警察は容疑者の家宅捜査をすることもできます。逆恨みをされませんように。

「いいかげんにしないと警察が来るよ!」泣き喚く幼児に向かってこう言うと泣き止む。……庶民から恐れられているというか敬遠されているのがタイの警察。薄給のため、公道で罠を仕掛けるような取り締まりで罰金をせしめる姿はお馴染みだ。もちろん命を張って麻薬組織などの巨悪と対峙する勇敢な警察もいるが、指揮系統が緩いのか、総じて緊張感がない。数年前の騒乱時にアピチット元首相の家を警護していた一部の警察が歩道ベンチで昼寝をしていたのをよく見かけた。写真は、もうすぐ渋滞になる交差点への専用車線に横入りしようとする車を取り締まる準備をしている警官。写真の警官のことを緊張感がないと言っているのでは断じてありません。【撮影/『DACO』編集部】

(文・撮影/『DACO』編集部)

 

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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