海外の大学生に比べて、日本の大学生はあまり勉強しません。その大きな要因に、学業での成果は企業の採用選考ではあまり評価されないことがあります。実際の採用選考場面においてもGPA(大学での各科目の成績の平均)に着目しない企業が多く、面接においても学業外の行動に関しては詳しく確認するのに対し、学業での行動に関しては必ずしも確認しないことが一般的です。本当に「GPAが高いこと」、あるいは「学業において成果を出すこと」は企業の人事・採用から見て魅力的ではないのでしょうか?『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか』(辻太一朗・曽和利光著、星海社出版)より一部抜粋・編集してお届けします。

GPAとは?定義と日本での使われ方

勉強しない学生は就活で圧倒的不利に?急速に普及する成績評価制度「GPA」とは写真はイメージです Photo:PIXTA

 GPA制度とは、現在アメリカを中心に世界各国で普及している、学生の成績評価を行う仕組みのことです。「GPA●.●」というようにその学生の成績評価を示す指標としても使用されています。

 GPA制度では、各履修科目の成績を5段階程度(S、A、B、C、Dなど)で評価し、それぞれに対して、4、3、2、1、0のように「Grade Point(GP)」と呼ばれるポイントを付与して、単位当たりの平均「Grade Point Average(GPA)」を算出します。これが先ほどのような「GPA●.●」といった個人のGPA得点となります。

 なおGPAは、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位(●.●)までで表されることが一般的です。(下図参照)