ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside Enterprise

欧米失速でアジア戦略強化
農機需要狙うクボタの成算

週刊ダイヤモンド編集部
2010年2月25日
著者・コラム紹介バックナンバー

 国内農業機械最大手のクボタが、アジアでの売上高を5年で2・4倍に拡大する強気の計画を打ち出している。昨年度は1270億円、これを2013年度には3000億円に引き上げる。

 最大の業績貢献を見込むのはタイだ。3000億円のうち1850億円をタイで稼ぎ出す青写真で、そのための設備投資を矢継ぎ早に行っている。

 今年3月上旬にはタイにおけるコンバイン(収穫機)生産を開始。昨年3月から生産しているトラクターの生産能力も来年度には年間5万台体制に倍増させる。さらに今年末には海外初となる農機用部品の鋳物工場も立ち上げ、現地生産を推進する。

 クボタがアジアで攻勢をかける背景には、農機需要の急増がある。世界的な穀物価格の上昇により農家の所得が増加し、さらに都市化で農業人口が減少しているため、今後も需要の拡大が見込まれる。とりわけタイは1人当たりGDPが農機の普及水準といわれる2500ドルを超え、本格的な普及期に入っている。

 「アジアでナンバーワンの農機メーカーを目指す」(益本康男社長)というクボタにとって、死角は中国とインドだ。

 タイのトラクター市場において、クボタのシェアは7割と断トツで、売上高は800億円に上る。ところが、中国における売上高は230億円にすぎず、インドに至ってはゼロである。

 中国の水田面積は日本の17倍、インドは26倍という巨大市場。しかし、中国とインドでは現地メーカーが圧倒的なシェアを握っている。性能面では日本メーカーが有利だが、現地メーカーの3倍ともいわれる高価格で、どこまで対抗できるか。

 逆に中国、インドメーカーがアジア各国市場へ進出してくれば、激しい価格競争に巻き込まれかねない。

 クボタの今期売上高は、欧米事業の大幅な不振で5年ぶりに1兆円を下回る見込みだ。アジア事業の成否が、業績回復の生命線を握っている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)

週刊ダイヤモンド

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「inside Enterprise」

⇒バックナンバー一覧