政党の歴史がわかれば思想が分かる!

坪井 日本は1955年からずっと与党は自由民主党、野党第1党は日本社会党、という構図だった(55年体制)。この55年体制が終わったのはバブル崩壊不況さなかの93年、細川政権の発足によってだった(93-94)。

 それで、ここから今日まで続く連立政権の時代に入ることになる。これにはもちろん様々な要因があるけれど、経済がガタガタになったことが大きな引き金になったことは間違いない。

―そうだったんですか。

坪井 政党は元来、それぞれ異なった政治思想と経済思想に立脚しているでしょう? 当然だよね。55年から93年までは、

自民党「経済界」の立場。なるべく規制を設けないで経済を活発化させましょう、政府はあまり介入せず、とにかく自由競争をさせていきましょう、というスタンス
社会党「労働者」の立場。弱者に寛容な政策を出し、弱者へ所得の再分配を図る

 ざっくり言うとこんな感じで、これが「あるべき立場」だったんだ。

 ところが、自民党は自由主義政党と言いつつ農業や銀行などの既得権益者を保護してきた。ただ、このように多少入り組んではいたけれど、比較的分かりやすい政治をしていた。
 しかし、70年代から低成長となり成熟社会になると虐げられた労働者階級もいなくなると、社会党も立脚点があやふやになってくる。こうして政界再編が進んだんだ。