橘玲の世界投資見聞録 2012年12月6日

[橘玲の世界投資見聞録]
華僑の国シンガポールにチャイナタウンがある謎

 シンガポールをはじめて訪れたとき、なぜチャイナタウンがあるのか不思議だった。

 その頃は、香港とシンガポールは同じようなところだと思っていた。香港に住んでいるのはほとんどが広東人で、彼らはみんな“中国人”だからチャイナタウンなどない。

 シンガポールの中心部は、シンガポール川が海に注ぐボート・キーやクラーク・キーと呼ばれる一帯だ。“Quay”というのは埠頭のことで、19世紀のイギリス植民地時代はここに沖仲仕が集まり、インドや中国からやってくる貨物船の積荷を捌いた。

行政施設の集まるシンガポール川左岸 (Photo:©Alt Invest Com)

 シンガポール川の左岸は国会議事堂や最高裁判所などの行政施設が並び、右岸は高層ビルが立ち並ぶ金融街だ。金融街のちょうど裏手に地下鉄のチャイナタウン駅がある。階段を上って通りに出ると、たしかに漢方薬や茶・乾物、中国菓子などの店が並んでいるが、シンガポール市内ならどこでも見かけるからとくに珍しいわけではない。

シンガポール川右岸の金融街 (Photo:©Alt Invest Com)

 中華街の突きあたりまでくると、突然、極彩色の建物が現われる。シンガポール最古のヒンドゥー寺院スリ・マリアンで、強い香がたかれるなか信者たちが祈りをささげている。

 なぜ、チャイナタウンにヒンドゥー寺院があるのだろう? これもシンガポールの不思議のひとつだ。

シンガポール最古のヒンドゥー寺院スリ・マリアン  撮影/和田佳久

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 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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