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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

日中に新政権が発足し「台風」が去るまでに
民間人ができることを実行してみた

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第133回】 2012年12月6日
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 先日、銀座の画廊で在日中国人の絵画展があり、初日に私も鑑賞しに行った。意外にもそこで長年、旅行業を経営している友人と会った。

 どうした風の吹きまわしかとあいさつしたら、「今やこういう情勢だから、本業は閑古鳥が鳴いている。気分転換のため、絵画展でも見ようかと思って、ここに来たのだ」と説明された。その苦しい心境がいやというほどわかるだけに、私は慰めの言葉もなく、ただ彼の肩に手を乗せ、しっかりと握ってみた。「負けてはいけないよ!頑張ろうよ!」という気持ちを無言に伝えるためだった。彼も頷いてみせ、私のその無言の言葉が伝わったようだ。

香港メディアへの働きかけ

 例の島事件はある意味では、政治的な大地震か津波と見ていいだろう。あるいは突然の台風と例えてもいいのでは、と思う。日中経済にかかわる多くの関係者が、ただ歯を食いしばってその台風が過ぎ去るのを待っている。それしか方法はないので、台風が過ぎ去るのを待とう。

 中国の新しい政権は、実質的にすでに動き始めた。来年3月に開かれる全国人民代表大会で関連の儀式を済ませれば、習近平・李克強時代が正式に始まる。日本も日本で、今や衆議院選挙のさなかだ。次の政権が誕生する。新しい行動を起こせるタイミングがやってくる。ともに実績を作りたがる新政権になれば、日中間でもうすこし前向きの動きが現れるのではないか、と期待したい。はやく春が来てほしい!政治の春を、日中間に花が咲く春を早く迎えたい。

 しかし、期待を抱きながら台風が過ぎ去るのをひたすら待つのは、私の性格に合わない。自らも行動を起こして、その政治の春の訪れの足取りを、すこしでも速めることができればと思い、私はある作戦を考えた。日中双方の政府関係者が動きにくいこの頃、逆に民間人である私が動くべきだと判断して、中国本土と香港が一国二制度を実施しているところに目をつけ、香港のメディアに日本のインバウンド市場を取材に来てもらおうという作戦プランを作成・実行した。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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