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週刊・上杉隆

誰だってもらえるものは嬉しい
定額給付金の国民への「還元」を妨げる愚

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第60回】 2009年1月8日
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 総額2兆円、国民ひとりあたり1万2千円の定額給付金が迷走している。

 きのう(1月7日)の参議院本会議での野党各党の代表質問でも給付金支給を巡る政府の対応に批判が集中した。前日(6日)には鳩山由紀夫民主党幹事長も定額給付金の即時撤回、2兆円の別の使途を求めている。

〈究極の大愚策と言われている定額給付金の問題を取り上げました。効果も乏しく、国民のみなさんが望んでもいないバラマキに2兆円を使うならば、そのお金で失業対策や中小企業対策に、また母子世帯やお年寄りを中心に、医療や介護などの社会保障の充実に充てればよいではないかと提案しました。今からでも定額給付金を第二次補正予算から切り離すつもりはないかと、総理の良心に問いかけたのですが、麻生総理は「定額給付金は経済効果もあるのだ。切り離すことは考えない」と、ゼロ回答でした〉(鳩山由紀夫メールマガジン/1月7日・380号)

 野党だけではない。与党からも厳しい声が上がっている。象徴的な動きが渡辺喜美元行革担当大臣だ。麻生首相へ給付金の撤回を求める「要望書」を提出し、受け入れられない場合は離党も辞さないと宣言したのだ。自身のHPでも「麻生総裁へ物申す」として、次のように書いている。

〈昨年10月に立案された定額給付金は、その後の派遣切り・パート切りなど雇用情勢の急激な悪化の中で「生活防衛」としてのメリハリは更に失われてしまった。「同じ2兆円を使うならもっとましな使い方があるだろう」「具体的な金の使い方は地方にまかせるべきだ」という巷の声に麻生総理は耳を傾けるべきである。(中略)定額給付金を撤回し、2兆円を地方による緊急弱者対策に振り向けるなど、2次補正予算案の修正を国会において行なうべきである〉

 鳩山幹事長がそのメルマガでも触れた通り、麻生首相に給付金撤回の意思はない。それも当然だろう。そもそも、第二次補正予算の成立は、麻生内閣の2年越しの「公約」であり、さらに永田町的に言えば、提出後の予算案を政府自ら修正するというのは前代未聞のことなのだ。したがって、麻生首相は、自らの意思で法案を撤回しないというよりも、撤回できないという方が正確かもしれない。

 また、定額給付金については、すでに政府の対応、とりわけ首相のそれはブレまくっている。この期に及んでの変更は、政権の弱体化をさらに進め、それを世に知らしめてしまう可能性もある。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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