投票後の監視も大事!

坪井 ドイツでも2013年秋に総選挙がある。現在は、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)の連立政権で、野党は社会民主党(SDP)、緑の党、左翼党といったところ。ドイツの場合は政治思想も経済思想も政党別に明確なんだ。

 右派→FDP
 中道右派→CDU/CSU
 中道左派→SDP
 左派→緑の党
 最左派→左翼党

それで、現在はCDU/CSUとFDPの中道右派連立政権なんだ。

 ボクがここまで話してきたのは政党の公約と党首の発言を元にしているのだけれど、日本の政党の場合、とくに多数党では党内で意見が割れている。TPPも原発もすべて。だから選挙後の混乱が予測される。

 党首の発言だけでドイツになぞらえると、最右派の維新、右派の自由民主党、中道の民主党、公明党、中道左派の社民党、未来、左派の共産党などと並べることはできますが、党内の意見は維新、自民党、民主党でまとまっていないので、明確に分けられないんだ。

―それは困りましたね。

坪井 だから、党首の発言や公約と同時に、候補者個別の意見をよく見ないといけないよ。もちろん比例区は政党を選ぶのでやっかいだけれどね。有権者の半数は無党派なので、ぎりぎりまで予測がつかない。本当にわからないよねえ。

―目を皿のようにして情報を集めます!

坪井 そうそう。政権がどうなったとしても、果たしてデフレから脱却できるのか、景気が良くなるのか、外交はどうなるのかなどと情報を集めてよく研究すれば、選挙後も監視したくなるでしょ(笑)。若者の投票率が低いと、投票率の高いお年寄り向けの政策ばっかり優遇されちゃうという危機感を持ったほうがいいと思うよ。

 このように、政治と経済は切っても切れない関係にあるんだ。今回話しきれなかった経済思想と政治については、『改訂4版 めちゃくちゃわかるよ! 経済学』で、図解つきで深く解説しているから、ぜひ読んでください。

さて、今回の総選挙は12月16日。投票して意思表示しよう!


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