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加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

“無政治状態”ニッポンの
民主主義をリニューアルするために

加藤嘉一
【第12回】 2012年12月10日
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経済大国に符号しない地位

 12月5日、米経済誌「フォーブス」が「世界で最も影響力のある人物」の番付を発表した。

 オバマ米大統領が2年連続で1位に輝いた。2位はドイツのメルケル首相、3位はロシアのプーチン大統領で、中国の次期リーダーである習近平氏が9位、李克強氏が13位に入った。我が祖国、日本のリーダー野田佳彦首相は60位だった。

 昨今の世界は、まさに「乱世」と呼ぶのにふさわしい。国際政治学者のイアン・ブレマー氏は、その状況を「Gゼロ」と呼んでいる。G2でも、G7でも、G20でも、そしてG1でもない。

 Gゼロ世界の核心は、グローバルリーダーの不在にある。ただ、この状況がいつまでも続くわけではないという意味で、新たな世界システムへの過渡期なのだ。グローバル世界を引っ張る国家の存在に事欠くGゼロ世界において、各主権国家のなかに生きる市民たちが逆に強いリーダーを求めている現状は興味深い。

 野田首相の60位という結果から、米中などに比べて、日本のリーダーは影が薄い存在であると見られても仕方がないし、世界第三の経済大国に符合しない地位にある現状は否定できない。

中途半端なニッポンの実力

 今、日本にいる皆さんは総選挙ムードに浸っていることと察する。

 多くの知人、とりわけ20代の同世代は、「今回ほど、どの党に入れていいか分からない選挙はない」という困惑した心境を私に語る。

 ある後輩(男性)は、「民主党はここ数年、党の体制もボロボロで入れる気にならないですし、自民党は言っていることが極端すぎて入れるのが怖いです。他はよく分かりません」と話してくれた。

 そんな日本の状況をどう思うか、ハーバード大学に留学している中国人学生(女性)に質問してみた。すると彼女は、若干皮肉っぽい口調でこう答えてくれた。

 「首相が毎年変わるなんて羨ましい限りですね。中国は10年に一回だから」

 それから、少し真面目に、睨むような表情で、こう続けた。

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加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

「だったら、お前がやれ!」

 この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。「自分はどう考えるのか」、そして「自分は具体的にどのような行動をとるのか――」。何かに意見するとき、加藤氏は必ず自らに問いかける。加藤氏の行動規範としているものだ。
日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示してきた本連載のシリーズ第2弾。2012年8月に加藤氏が拠点を中国北京から、米ハーバード大学ケネディースクールへ移し、新たなチャレンジをスタートさせる。2012年4月から8月までの第1弾とはひと味違う、加藤氏の言葉をお届けする。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る」

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