加留部社長とメンター・ダイヤモンドの学生記者たち。写真左から、松本麗さん、平野航さん、加留部社長、芝田貴広さん。

 加留部社長自身も就任以来、社員との対話を繰り返し、海外の現場に積極的に足を運ぶ。「商魂、チームパワーと並ぶ、現地・現物・現実という豊田通商グループウェイを実践しているまで」と言う加留部社長には、もう一つの行動原理がある。

 それは米国駐在時代、キャッシュレジスターの商権買い取りに際し、在庫を確認したときのこと。現物をいくら数えても、帳簿と合わない。場所を移して数え直すと、帳簿が正しいことが判明した。わびを入れに行った加留部社長に対し、オーナーは「俺は自分の金で商売しているが、おまえは会社の金で仕事している。その違いだ」と話したという。「それ以来、自分のお金を出してでも遂行したいビジネスかどうかが一つの判断基準になっています」と、振り返る。

「判断に迷ったら、何のためにこれをするのか。遂行していいビジネスなのかどうかを、基本に立ち返って考えます。会社のビジョン設計においても、どこで強みを発揮できるか、社会で求められるニーズに合致しているかが、判断のベースです」との言葉に、将来設計の策定に悩んでいるという学生記者たちはうなずくことしきりだった。

 同社が必要としているのは、「自分で考え、行動し、修正していける」自律的な人材だ。手厚い研修や社員のやりがいにも配慮した柔軟な人事制度で成長をサポートしていくのが、同社流の人財育成である。学生には「時間のある限り、いろいろな場所に出かけ、いろいろな人に会い、多くの本を読んでほしい」と加留部社長はエールを送る。

 新ビジョンの実現に向け、若い力と共に歩もうとする豊田通商のこれからに注目したい。

■企業プロフィール
豊田通商は金属、グローバル生産部品・ロジスティクス、自動車、機械・エネルギー・プラントプロジェクト、化学品・エレクトロニクス、食料、生活産業・資材の7本部における各種商品の輸出入取引、外国取引およびその他の商品の製造・加工・販売サービスの提供を軸に柔軟な発想と的確な提案を行う新しい商社像を目指していきます。世界中に持つネットワークと国際協業のノウハウ、また、トヨタグループ唯一の商社としての強みを十分に発揮し新たな価値を創造する企業として【GLOBAL 2020 VISION】を策定し総合商社としてさらなる成長を目指します。
■求める人材
「モノづくりは人づくり」といわれるように、人が育つところにビジネスが育っていきます。新しい血を注ぎ込み、新しい商社像を目指す豊田通商にとって、チャレンジこそが人と企業の原動力です。豊田通商の幅広いフィールドで常に前のめりで挑戦していく、チャレンジ精神旺盛な人材を待っています。
■募集人数(総合職・一般職 合計人数)
未定(2014年度採用予定人数) 115人(2013年度入社予定人数) 128人(2012年度入社人数実績)
■応募資格
●2014年4月1日に入社可能な方 ●2014年3月末までに四年制大学または大学院を卒業・修了予定の方(学部・学科は問いません) ●豊田通商の役員・職員の子女でないこと ●四年制大学・大学院卒業・修了後の職歴が2年未満の方
 
■学生記者のインタビュー記事は「メンター・ダイヤモンド」からご覧になれます。