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カインズがめざす新たな小売業のかたち

PB戦略から見える業態の垣根を越えた方向性

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【第1回】 2009年8月25日
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 今年7月17日、東京都内において、カインズはプライベートブランド(PB)のワインの販売開始とともに、PB商品の今後の展開についての記者会見を行った。

 今回PBとして販売するのは、チリ産のテーブルワイン「RICO RICO」。輸入元はサントリーホールディングス(東京都/佐治信忠社長)のグループ会社で、国内、海外でワイン事業を行っているサントリーワインインターナショナル(東京都/八木徹社長)だ。

東京23区内1号店である「カインズホーム南砂町SUNAMO店」では、エントランスホールにて「RICO RICO」のセールスプロモーションが行われた

 ホームセンター(HC)である同社が、PBのワインを販売することについて「生活の洋風化に伴って、部屋の中で象徴となる商品が欲しかった。安くて、おいしいテーブルワインが日本にはなく、数年前から検討をしていた」と土屋裕雅社長は言う。

 海外ではテーブルワインは300円前後で気軽に飲める。しかし、日本ではワイナリーの規模が海外に比べて小さく、国内調達だと割高になってしまう。そこで、チリで最も歴史のあるワイナリーのサンタカロリーナ社を選び、大ロットでの発注と物流コストの抑制により、750ml入りで448円という価格を実現している。この価格設定については、カインズホーム28店舗で実験販売(8万本を販売)を行い、検証した結果だという。単純な比較はできないが、イオンが展開する「トップバリュ」のワイン498円(720ml入り)と比べても、約1割安く抑えている。

 「海外のワインはブランド力で売ろうとしている。われわれは味を維持して、価格を安く抑えることができた」と土屋社長は胸を張る。この「RICO RICO」はカインズホーム167店舗(2009年7月末現在)のうち104店舗で販売を開始し、年間100万本の販売目標を掲げる。会見当日には「カインズホーム南砂町SUNAMO店」(東京都江東区)においてセールスプロモーションを行ったほか、翌日に全面リニューアルオープンした「カインズホーム足利店」(栃木県足利市)でも入口付近で大量陳列するなど、目標達成へ向けて早くも販売に力を入れる。

PB比率を早期に50%へ

 いま小売各社ではPBの開発を急いでいる。製造者と販売者を併記するダブルチョップ中心のPBから、2000年ごろには海外からの直接仕入れや海外で自社開発したPBが増えてきている。各社が本格的に取り組むなか、昨年9月の金融不安が家計消費の引き締めに大きく影響し、割安感のあるPBへの支持が急速に高まっている。

 カインズはHCの中では比較的早くPBに取り組み始め、「いいものをより安く」というEDLP(エブリデー・ロー・プライス)政策をナショナルブランド(NB)中心からPBへと比重を移している。PBブランドも日用雑貨や家庭用品、インテリアなど幅広いカテゴリーで展開するメーンブランドの「CAINZ」のほか、キッズ用インテリアの「CAINZ KIDS」、ペット用品の「Pet's One」、アウトドア用品の「FOREST BREEZE」、プロ向け用品の「玄人」の5つのPBを展開する。現在、PBの売上高構成比は約30%、アイテム数は約1万にも及んでいる。3年前、2006年2月期末のPB売上高構成比は約10%であり、驚異的な伸びを示している。

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