ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
Close-Up Enterprise
【第95回】 2012年12月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
週刊ダイヤモンド編集部

三菱重工と日立が火力事業統合
“静観”の世界2強を捉えられるか

1
nextpage

三菱重工業と日立製作所が火力発電設備中心の事業統合を発表。日本が世界で競争力を持つ重要な産業で、生き残りを懸けて国内3大メーカーの2社が手を結ぶ。期待の声が上がる一方で、課題も山積している。事業統合で誕生する新会社の経営陣には、過去の日本企業連合が陥った失敗を繰り返さない舵取りが求められる。

握手を交わす大宮英明・三菱重工業社長(左)と中西宏明・日立製作所社長。会見では笑顔が多く見受けられた
Photo by Takahisa Suzuki

 「今度は本当なのか」

 およそ1年4カ月前に大々的に報じられた、日立製作所と三菱重工業の全社合併。立ち消えになった当時の話を持ち出しながら、米ゼネラル・エレクトリック(GE)、独シーメンスの本社から日本の幹部へ確認が入った。

 両社は電力システムなど、社会インフラ事業を手がける世界2強の重電メーカー。その彼らをグローバル競争で打ち負かすために、三菱重工と日立が火力発電設備中心の事業統合を発表したからだ。

 LNG(液化天然ガス)や石炭を燃料とする火力発電で、主要機器となるガスタービンや蒸気タービン、その周辺機器であるボイラー(蒸気発生器)や発電機などを中心に本体から切り出し、新会社を設立する。

 製品のラインアップという面では、大型ガスタービンの三菱重工と、中小型の日立。販売網の面でも得意地域で補完関係にあるため、「最強の組み合わせ」と日立の中西宏明社長は胸を張る。

 新会社への出資比率は三菱重工65%、日立35%を想定していて、単純合算で売上高1兆1000億円規模の新会社が2014年1月に誕生する予定だ。

 背景には先細っていくという国内市場の見通しがある。3.11以降、2社の主要顧客である電力会社の調達に対する外部の目は厳しくなり、競争入札が次々に導入。さらに電力会社の急速な財務悪化で、いよいよ以前のような金払いのよさは期待できなくなった。

 世界市場へ出なければ自身も縮小せざるをえない。そこで、事業規模でも世界シェアでも水をあけられているGE、シーメンスの2社と戦うため、「日本企業同士の消耗戦」(大宮英明・三菱重工社長)を避け、手を結んだのだ。

1
nextpage
Special topics
ダイヤモンド・オンライン 関連記事


DOLSpecial

今週の週刊ダイヤモンド

2014年8月2日号

週刊ダイヤモンド最新号

定価710円(税込)

週刊ダイヤモンドのサイトへ
特集

オジサン世代に増殖中!
職場の「お荷物」社員

      
  • Prologue 「お荷物」社員はなぜ生まれるのか
  • 働かないオジサン対策は日本企業の最重要課題だ!
  • 図解 どの世代も逃げられない働かないオジサンのリスク
  •     
  • Part 1 職場を萎えさせる「問題児」社員の実態
  • あなたの周囲にもいる!? 働かないオジサン7分類
  • あなたは大丈夫!? 働かないオジサン度チェックチャート
  • 「お荷物」社員の取扱説明書
  • 主要上場企業直撃アンケート シニア活用の実態
  •   
  • Part 2 働かない社員を量産 大企業人事部の"大罪"
  • 大量の採用と削減繰り返すだけ 年々巧妙化する企業のリストラ
  • Interview 秋山謙一郎●ジャーナリスト
  • 理想忘れた放漫経営が招いたソニー「追い出し部屋」の泥沼 清武英利●ジャーナリスト
  • Interview 野田 稔●社会人材学舎代表理事
  •   
  • Part 3 社員高齢化で待ったなし 「お荷物」を戦力化せよ
  • 50歳を過ぎても変われる! オジサン再生「六つの秘策」
  • Column 人材不足の中小企業で戦力化 ものづくり支えたシニアの技
  • Column 「お荷物」社員の目が輝く 人事担当者必見の研修
  • Column 顧問で派遣、クラウド活用 経験生かし定年後も活躍
  • Interview 三浦雄一郎●プロスキーヤー・冒険家
  
underline

週刊ダイヤモンド1冊購読

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


Close-Up Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「Close-Up Enterprise」

⇒バックナンバー一覧