多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作で、まさに“鈍器本”だ。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。

絶対残業しない人がやっている<br />たった1つの「モーニングルーティン」Photo: Adobe Stock
〈結論〉
・残業しないために「毎朝、綿密な時間割をつくろう」
・朝の時間割が効果的な理由は4つ
 1.順番を間違えない
 2.目の前の作業に集中できる
 3.「パーキンソンの法則」を防げる
 4.残業すべきか明確になる
・集中力が必要な仕事は、頭がフレッシュな午前中に

マモル:定時でスパッと仕事を終わらせられたらいいんですけど、こびりついた残業体質が直らないんです……。何かいい方法はありませんか?

サラタメ:結論、こんな感じで毎朝時間割をみっちりつくることです! これで不思議なくらい残業が減りますよ。

マモル:こんなみっちり時間割つくるんですか……。でも、これって別に作業スピードが変わるわけでもないのに、ホントに残業減るんですか?

サラタメ:はい、断言します。めっきり減ります! 必ず実践してください! ここまでの解説で、To Doリストを日付で管理することは習慣になってきていると思うので、今日やるべきタスクを時間割に落とし込めばOKです。

絶対残業しない人がやっている<br />たった1つの「モーニングルーティン」迷わない時間割

朝の時間割が効果バツグンの理由

 毎朝、時間割をつくるだけで残業が激減する理由は、次の4つです。

1.順番を間違えない
2.目の前の作業に集中できる
3.「パーキンソンの法則」を防げる
4.残業すべきか明確になる

1.順番を間違えない

 作業を効率的に進めるには、「スピード」より「順番」が大事です。

 たとえば、次のように順番のミスをすると作業時間が平気で2~3倍になってしまいます。

・先にデータ収集の依頼をしてから、資料作成を進めればよかった
・橋本さんに教えてもらいながら作業しようと思っていたが、外出でいなくなってしまった

 これらのミスは、作業スピードでは取り返せないレベルのタイムロスにつながります。

 そんな致命的なミスを防ぐため、毎朝、頭が一番フレッシュなタイミングで、効率的な「順番」を決めるべきなのです。

2.目の前の作業に集中できる

 人間の脳は、2つの作業を同時にこなせません。

 同時にこなしているように見える人でも、高速で頭を切り替えているだけ。集中力が分散してしまっています。時間割をつけ、「この時間は、この作業以外やらない」と、集中すべきタスクを一つに絞ってこそ、最高の集中力が発揮できるのです。

3.「パーキンソンの法則」を防げる

「パーキンソンの法則※」とは、仕事の量は与えられた時間とともに膨張するという法則です。

 要は、仕事の締切に余裕があると、それに合わせてダラダラ作業を進めてしまうということ。

 上司や得意先から与えられた締切だけを基準にしていると、まさに「パーキンソンの法則」にハマります。指定されたスケジュールに余裕がある場合、「まだ時間はあるから」と必要のない追加作業を始めてしまったりするのです。

 15~30分単位の細かい時間割をつくることで、自分の作業スピードに応じた締切を設定する習慣を身につけましょう。その習慣が「パーキンソンの法則」を防ぐ有効な対策となります。

※「パーキンソンの法則」とは?
イギリスの歴史・政治学者シリル・ノースコート・パーキンソン(1909~1993)によって提唱された法則。当時のイギリスにおける行政の組織・運営の分析から生み出されたもの。

4.残業すべきか明確になる

 残業体質の人の多くは、そもそも自分が残業しなければならないのかを把握できていません。たとえば、次のとおり。

・今日やるべきタスクが、業務時間内に収まるかを把握していない
・定時をすぎているが、今日やるべきタスクが終わったのか判断する基準がない

 今日中に終わらせるべきタスクを洗い出し、それらを時間割に当てはめていけば、このような事態にはならないはずです。

 また、詳細な時間割をつくっていれば、自分の忙しさを一目で把握できるので、突発的にタスクを依頼されたとしても、適切な返答ができます。どうしても依頼を断らざるをえないときにも、時間割を見せながら説明できるため、周囲からの理解を得やすいでしょう。

サラタメ:朝に時間割をつくっておけば、タスクがこなしきれないリスクにも早めに気づけます。そんなときは、タスクが爆発する前に助けを求めましょう。早め早めに“タスク爆発リスク”に気づけるのも、朝、時間割を組む大きなメリットです。