株式レポート
12月11日 14時40分
マネックス証券

第29回  お勧めの書籍 - 広木隆の「投資の潮流」

全国各地を廻るマネックス投資セミナー。今年最後のセミナーを先週末、福岡で開催した。実はひとつだけ懸念があった。テレビ出演などのおかげで筆者もだいぶ「売れて」きたものの、まだまだ敵わないと意識する、筆者の強力なライバルも福岡入りしていたから、そちらに客足を奪われるのではないかと心配したのである。だが筆者の懸念は杞憂に終わった。非常に多くのお客様が会場に足を運んで下さったのだ。開口一番、まず御礼を申し上げた。「ご来場の皆様、<嵐>の福岡ドームコンサートに行かずに、当セミナーにお越し下さいまして誠にありがとうございます!」

セミナー第2部の「ライブ駆け込み寺」は当社社長・松本大やエコノミストの村上らとのパネルディスカッション形式で会場のお客様からいただいた様々な質問に答える人気企画である。決まって訊かれる質問のひとつに「投資に関するお勧めの書籍を教えてください」というものがあることは、こちらのレポート(10月31日付「もう円は買わなくていい」)でも書いた。

松本大「私の仕事術」以来6年ぶりの単著「『お金の流れ』はこう変わった! 松本大のお金の新法則」<1,600円(税抜き)> が発売された。福岡のセミナーで松本は「この『お勧めの書籍』のコーナーで初めて自分の本を挙げさせてもらいます」と言って、同書を紹介した。1年前に出版して以来、今年の全国セミナーでは毎回、自著「ストラテジストにさよならを」を『お勧めの書籍』として挙げてきた筆者は当然のように今回もまた自著の宣伝だ。しかし毎回毎回、自著の宣伝ばかりでは - しかもそれが販売部数の増加に結びつかずまったく宣伝効果があがっていないとなれば - いい加減自分でもうんざりしてくる。そこで今回はもう一冊、本当に『お勧めの書籍』を紹介した。ハワード・マークス著「投資で一番大切な20の教え」である。「『お金の流れ』はこう変わった! 松本大のお金の新法則」に負けず劣らずの名著である。ご一読をお勧めする。

実はこれも11月12日付「米国株式市場の投資判断」というレポートの中で紹介済みである。「同書は紛れもない名著である。あのウォーレン・バフェットが同書を買い求め、自社バークシャー・ハザウェイの株主総会で出席者全員に配ったというほどだから、その程が伺われるだろう」と絶賛した。但し、その後がよろしくなかった。同じ投資にまつわる書籍なのに、自著と同書ではあまりに差があるのが悔しくて、「この本の内容は自著『ストラテジストにさよならを』とほぼ同じである」などと、思いっきり背伸びした大それたことを言ってしまったのである。せめてそこで止めておけばよかったものを、一旦、脱線するともう止まらない。マークス氏の名言「投資は『良いものを買うこと』ではなく、『ものをうまく買うこと』で成功する」を引用して、『投資で一番大切な20の教え』は2000円+税。ほぼ同じ内容の『ストラテジストにさよならを』は743円+税。「良いものを買う」ことではなく、「ものをうまく買う」ことが大事なら、どちらを買うのが得策でしょうか?などと放言してしまったのである。これは明らかに成功した大投資家に対して失礼というものだ。反省しきりである。

筆者の欠点は多くあるが、そのひとつが調子に乗り過ぎることである。もっと謙虚にならなくてはいけない。筆者の最大のライバル<嵐>を見習って。




(チーフ・ストラテジスト 広木隆)

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(マネックス証券)


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