トヨタ労組の与党連携・賃上げ交渉の独自化をどう見る?連合会長に直撃インタビューに答える連合の芳野友子会長 Photo by Masato Kato

昨年の衆議院選挙では、全トヨタ労働組合連合会が与党との連携強化を進めたことが注目を集めた。春季生活闘争(春闘)でも、トヨタ自動車労働組合が一律の賃上げ要求を見直す方針を示しており、独自の動きを見せている。傘下組織のこういった動きに日本労働組合総連合会(連合)はどう向き合っていくのか。会長の芳野友子氏に話を聞いた。(インタビュー・構成/ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

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全トヨタ労働組合連合会が与党と連携強化したが…

――衆院選では、全トヨタ労働組合連合会が与党との連携強化を進めたことが注目を集めました。独自路線を取る組織がある中で、連合全体として、参院選をどのように戦っていくべきと考えていますか。

 トヨタの事例については、候補者と所属している組合が議論に議論を重ねた結果だと考えています。連合としてはそれを尊重します。加盟組合と自動車総連の間でも議論を重ねていると思いますので、このことについて連合が組織的に介入するということはありません。

 参院選では、立憲民主党・国民民主党それぞれの候補者が、自分たちの名前を組織内に徹底していくということが、基本的な戦い方になると思っています。

 今回の衆院選も投票率が非常に低かった(編集部注:55.93%)。選挙や政治に関心を持ってもらい、投票率を上げていくことも併せてしていかなければいけません。せっかく18歳から投票できるようになっているのに、もったいないことです。自分たちの将来がどうなっていくかを決めることにつながるので、特に若い世代には意思表示をしてほしいと思います。

トヨタ自動車労働組合が春闘で独自の動き

――トヨタ自動車労働組合が一律の賃上げ要求を見直し、「階級別」や「職種別」で賃上げの要求額を示すとの報道がありましたが、これには「春闘の動向が外部から見えにくくなる」との批判もあるようです。連合が一律の賃上げを目指す中で、一部の組織が独自の方針を打ち出したことに対し、どのように対処していくのでしょうか。