日本の大学院卒初任給は306万円、米国の5分の1以下にした教育の機能不全日本の平均値賃金はアメリカの6割程度だが、大学院卒の初任給の格差はそれよりはるかに大きい。なぜこんな差が生じてしまうのか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本の大学院卒は年収200万円台、
米国のビジネススクール卒は1700万円!

 主要国に比べて日本の賃金水準が伸び悩んでいることが問題になっているが、日本とアメリカの間の賃金の格差で、とりわけ大学院卒の初任給は大きな差が目立つ。

 1月25日に発表された文部科学省科学技術・学術政策研究所の「博士人材追跡調査」によると、博士課程を修了した人の翌年度の年収は、つぎのとおりだ。

 医師、歯科医師らが1200万~1500万円未満。工学は400万~500万円未満、社会科学と理学が300万~400万円未満、人文科学は100万~200万円未満だ。

 大学院卒の初任給が低いことは、従来から統計に現れていた。

「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」(厚生労働省)によると、大学院生の初任給は男女計で年306万円。

 このなかには医学部も含まれているので、それを除けば、たぶん年200万円台だろう。

 では、アメリカはどうか?