一般的な花屋のロス率は30%!
赤字にならないための値段設定とは?


 例えば、1本100円のバラを100本仕入れたとしましょう。売価700円ですべて売り上げ、固定費は5万円かかったとします。この前編の数式を思い出してください。

 利益=(客単価−変動費単価)×客数−固定費

 客単価=売価700円、変動費単価=1本あたりの仕入れ値100円、客数=売上本数100本、固定費=5万円のとき、利益は次のとおりです。

利益 =(@700−@100)円×100本−5万円
   =1万円


 しかし、一般的な花屋のロス率は30%ですから、100本のうち30本売れ残るとどうなるでしょう?

利益 =(@700−@100)円×(100−30)本
     −在庫ロス(@100円×30本)−5万円
    =▲1万1000円


 なんと1万1000円の赤字になってしまいます。では、在庫ロス率をそのまま30%として、少なくとも利益1万円を稼ぎたいと考えた場合、どのような売価設定をすればよいでしょうか? 

 先ほど、利益▲1万1000円と求めた数式の売価@700円をいくらとすればよいか、考えるわけです。

利益(+1万円)
   =(売価@?円−@100円)×(100本−30本)
    −在庫ロス(@100円×30本)−5万円
  @=1000


 解答は1000円です。つまり、在庫ロスを考慮した売価は、1000÷700=(ほぼ)1.4倍の売価をつけなければ割に合わないことになります。