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激安モデルで液晶テレビ復活狙う
「ソニーショック」の波紋

週刊ダイヤモンド編集部
2008年6月17日
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 「昨年、北米市場を荒らしたのはヴィジオ。今年の液晶テレビ商戦の“台風の目”は、ソニーだ」(電機メーカー幹部)

 ここ数年でシェアを急拡大したデザイン専業の米ヴィジオに変わって、この5月半ばから、ソニーが北米市場で、大激安セールを展開している。

 米小売りチェーンのウォルマート・ストアーズでは、ソニー製の32型の新製品「ブラビア」が、なんと686ドル(約7万4000円)で販売されている。昨秋に発売された、ほぼ同一規格のソニーの新製品は899ドル(約9万7000円)。実質的には、200ドル以上(24%)の値下げに踏み切ったのだ。

 ソニーといえば、世界的にブランド力が高いことで知られる。にもかかわらず、率先して安売り攻勢を仕掛けるのは、なぜか。

 それは、「大画面を中心としたプレミアム価格帯だけではなく、中・小型の普及価格帯までカバーして、世界一のテレビメーカーとなるため」(ソニー幹部)である。世界の薄型テレビ市場のシェア(金額ベース)で見ると、2位のソニー(13.9%)は、首位の韓国サムスン電子(19.0%)に大きく水をあけられている。

 しかも、「ブラビア」発売から5年目にして、いまだソニーのテレビ事業は730億円の営業赤字に陥っている。

 そこで、台湾で組み立て加工した廉価モデルを北米市場へ投入、大量に売りさばき、規模のメリットを追求しているのだ。そうすることで、「ソニー復活の“証し”と位置づけるテレビ事業の黒字化を、なんとしても今期に達成する」(ソニー幹部)と、鼻息は荒い。

 こうした戦略の“軌道修正”を視野に入れ、ソニーは、2007年度に1060万台だった液晶テレビの販売台数を、今期は6割増の1700万台まで伸ばすという、強気な増販計画をぶち上げた。

 米ディスプレイサーチによれば、北米エリアは、薄型テレビの世界市場9061万台のうち、約3割を占める重要市場。そのうえ、来年2月には、米国でのアナログ放送が停止するため、確実に買い替え需要が起こる。こうした商機に、ソニーが先制攻撃を仕掛けたのである。

 間髪を入れずに追随したのは、首位サムスン電子である。ソニーと同一価格帯のモデルを市場投入した。今のところ、他のメーカーは静観を保っているが、早晩、追随するメーカーが続出し、安売り競争が激化するだろう。

 こうした“ソニーショック”に耐えうるかどうかが、今後の薄型テレビ市場で生き残る条件になりそうだ。日本ビクター、船井電機、三洋電機、パイオニアなどの中下位メーカーは北米事業の抜本的見直しを迫られることになるだろう。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 浅島亮子)

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