消費者金融の雄として高収益を誇っていた武富士が、資金調達で困難を極めている。高止まりしている過払い利息返還請求、改正貸金業法の施行など経営環境は悪化しており、新規の借り入れは無理な状態だ。転換社債(CB)の条件変更などの荒業にも打って出ており、もはや生き残りへなりふり構わぬ状況となっている。

「法的再生手続きを使わずに、武富士をグッドカンパニーとバッドカンパニーに分けて存続することが可能です。グッドカンパニーにはスイスのプライベートバンクが出資したいと話しています」

 かつては消費者金融トップだった武富士が、厳しい経営状況に陥っている。関係者の話によると、冒頭のような怪しげな提案が、投資銀行やファンドなどから頻繁に持ち込まれているという。法的再生手続きを伴わずにグッドカンパニーとバッドカンパニーに分けるのは法的にも道義的にも困難で、信憑性さえ危うい。そうした話が多数舞い込んでくるほど窮地に陥っている。

 現在の武富士は、過払い利息返還請求に対しては年間1000億円近い支払いを強いられている。また来年6月に完全施行される改正貸金業法では上限金利が29.2%から20%に引き下げられ、総借入残高が年収の3分の1までに抑えられるため、前もって融資の絞り込みも進めざるをえない、厳しい状況にある。

 そこで、市場が注目しているのは武富士の資金繰り。決算会見のたびに「資金繰りのメドは立っている」(清川昭社長)と表明しているものの、実際は苦しい状況であるのは誰もが認めるところ。少なくとも最近1年間は借り入れがほとんどできていないからだ。

 ある投資銀行家は「武富士は大手銀行、大手証券にアプローチして資金調達の機会をうかがっているが、現在はすべて断られたようだ。それだけに怪しげな話まで飛び出し始めているのだろう」と解説する。

1年以内の返済予定額
1890億円を確保へ

 ではどの程度資金繰りが苦しいのか。

上図にもあるように、1年以内に返済予定の有利子負債は1890億円となる。内訳は1年以内に返済予定の長期借入金が1190億円と、転換社債(CB)の繰り上げ償還が700億円見込まれている。